ぞくっとではなく、しんしんと怖い。秋ホラー

季節の花を題材にしたホラー「花語りシリーズ」秋の章。掌編三本で気軽に読めます。今回の花は女郎花・男郎花、菊、柊。

第三話「柊」
今回一番気に入った作品。小学生向けのようなやわらかい文体の心温まる内容で、妖艶なるも冷徹なホラーを書いてきたこの作者としては珍しい。けど、案外しっくりくるかも。ツンデレ柊さんのキャラが面白かったです。
怖いものなんて見えない方がいいのだろうけど……切ない。忘れないで居て欲しい。

第二話「菊」
霊的な面接官の話。これも今までにないパターンでした。
わりとすっきり明瞭にオチるのが特徴のこの作者にとって、どうとでも取れる落ち方をする。その分、あれはなんだったんだろうと考える余地があって、ミステリーみたいな面白さがありました。

喫茶店の椅子の色って、白と黄どちらが多いのだろう?
眠気の絶えない社員が、優秀すぎる人材の確率と、二ヶ月以内に病気が発覚する確率、どちらが高いだろう?


第一話「女郎花・男郎花」
寓話のような話。
夏はホラーの季節だけど、秋に移り変わる時期を狙って出てくるお化けもなんだか怖い。
秋は日照時間も減り陰深くなる季節。涼しさにはどこか切なさが混在してる。夏の背筋を凍らせるホラーに対して、秋めいたホラーってこんな感じと思った。

その他のおすすめレビュー

あづま乳業さんの他のおすすめレビュー398