ゆるい会話の裏で、重すぎる運命が動いている

 読み進めるほどに、「最強」って言葉の意味が静かにひっくり返されていく作品だと思いました。派手なバトルや神話設定に目を奪われるけど、本当に心に残るのは武流の戸惑いとか、「分からない」と立ち止まる姿。強すぎる力より、選べなかった人生の重さがずしんと来ます。それなのに会話の端々が妙にゆるくて、笑った直後にハッとさせられるのがクセになります。

 「自由って何だろう」「守るって誰のため?」そんなことを考えたことがある人に刺さりそう。ダークファンタジー好きはもちろん、使命や役割に縛られるキャラが好きな人、シリアスとユーモアの温度差を楽しめる読者にぜひおすすめしたいです。

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