この連作を読み進めていくうちに、心の中で色とりどりの空が広がっていった。 「暁を染め上げていく赤色は君の希望が届いた証」 の歌から始まって、もう色彩の世界に引き込まれている。 「ひとりだけ見上げる空は歪むのにふたりになれば真っ直ぐな青」 の歌で、ハッとした。 孤独な時と誰かと一緒にいる時の空の見え方の違いを、こんなに美しく歌えるなんて。 最後の「蛹から生まれた君が空に舞うモノクロの世に色が加わる」で、すべてが繋がった。 美しい色彩の世界に、しばらく心を委ねていたくなる短歌だった。
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