概要
黒薔薇、白薔薇、赤薔薇──彼の手の中からは常に死の香りがした。
梅雨の夜、活気を失った小さなバーに黒い薔薇の花束を携えた謎の美青年がふらりと現れる。仄かに不穏な影を感じながらも、自分に自信が持てないバーテンダーの私は、それでも甘く優しい言葉をかけてくれる彼に次第に魅了されていく。やがて彼は花束を置き、夜の闇に溶けるように姿を消してしまう。彼の残り香は今もなお、私の中でざわめきと共に香り立つ。一ヶ月後、再訪した彼の手に抱かれていたのは“白い”薔薇の花束。堕ちたのは私なのか。心を奪われたのは、彼だったのか。
※本作は「小説家になろう」主催企画『夏のホラー2025』参加作品です。怖さの余韻や、気になったことなど、感想をいただけると創作の励みになります。
※本作は「小説家になろう」主催企画『夏のホラー2025』参加作品です。怖さの余韻や、気になったことなど、感想をいただけると創作の励みになります。
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