概要
君が生きてくれるなら、ぼくはここで生きられる
八月、坂道の途中で出会ったのは、誰にも見えない“湯屋”と、もうこの世にはいないはずの少年だった――。
死を宣告された少女・葵が出会ったのは、記憶と想いが湯気に溶ける、あの世とこの世の狭間の湯屋。そして、そこで彼女は初恋を知る。
儚く、静かに、胸の奥をじんわりと焦がすようなひと夏の物語。
「生きること」と「好きになること」の境界に揺れる、青春幻想譚。
死を宣告された少女・葵が出会ったのは、記憶と想いが湯気に溶ける、あの世とこの世の狭間の湯屋。そして、そこで彼女は初恋を知る。
儚く、静かに、胸の奥をじんわりと焦がすようなひと夏の物語。
「生きること」と「好きになること」の境界に揺れる、青春幻想譚。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!生と死のはざまの藍に溶ける切なくも儚い幻想譚
死にゆく者が最後に愛した記憶を刻む場所「湯屋」。そこに住む今は亡き志鷹と、余命半年を宣告された葵とが互いの記憶を共有するひと夏の幻想的な恋物語です。
湯屋は死を覚悟した魂だけにその姿を現すとされる此岸と彼岸の狭間に漂う蜃気楼のような舞台。此岸に置き忘れた想いを彼岸へ渡す中継ぎとした幽玄な物々しさに強く引き込まれることでしょう。
湯屋にある木桶の中をのぞき込めば志鷹の忘れられない記憶を垣間見ることができる。葵はけぶる湯気を通じて志鷹の秘める想いの情景を感じとります。そして、ふたりで眺めていた藍色の世界でお互い「好き」という言葉を飲み込んでいたとわかるのです。
その時の気恥ずかしさやくすぐ…続きを読む