一膳のうな重に宿る、静かな愛のかたち。

甘く香ばしい煙とともに運ばれてくるのは、うな重の湯気だけじゃない。
ふたりの静かな時間、やりとりの余韻、そして食の幸せが、
ページを通してこちらにも届くようです。

白焼きから牛蒡の酢漬けに至るまで、細部まで丁寧に描かれた味わいは、
読後に確かな「おいしい余韻」を残します。

たった一食の描写のなかに、暮らしと愛情が詰まっていて。
「また来年も」と思わず願いたくなる、しみじみとした傑作です。

今すぐ、鰻の“じゅわっ”“パリッ”が恋しくなるので……夜中に読むのは厳禁です!

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