数奇なような、お洒落なような、ちょっと特別な感じのする時間
- ★★★ Excellent!!!
リチャード・クレイダーマン。日本でも二十年くらい前に一世風靡したピアニストですね。
ちょっとした懐かしさもあり、個人的にはこの名前が出てきただけで嬉しくなってしまいました。
クレイダーマン。スラッとした雰囲気の、いわゆる「イケオジ」というイメージが似合うようなピアニストです。
本作では、フェリーで知り合った人物に誘われ、そのクレイダーマンのピアノリサイタルを聞きに行くことになります。
フェリーの上という非日常の空間で出会いがあり、その縁でピアノリサイタルを一緒に聴きに行くようになる。そして、その演奏をするのがクレイダーマン。
数奇なような、お洒落なような、なんだか「特別感」のある時間。「なんか、いいなあ」と読んでしみじみと感じました。
読んだ後、ショパンの「英雄ポロネーズ」などを聞き、ちょっとした気分に浸りたいなと思いました。