野良犬は吠えた──帝国を喰らうために

誰もが信じて疑わなかった。
明日もまた、平穏が訪れるのだと。

けれど、すべては一夜にして燃え落ちた。
蒼き炎に包まれた集落。
最愛の妹の、笑顔さえ──。

時は流れ、帝国第四皇女リーンベルは、
ある男の存在を知る。
黒衣の騎士、ユーステス。
異能の力をひとつではなく、ふたつ持つと噂される、
「野良犬」の名を背負う謎の男。

軽やかに笑い、奔放に振る舞う皇女と、
冷静沈着にして不遜な騎士。
正反対の二人を待ち受けるのは、
帝国の深き闇、そして血塗られた決闘。

少女のティアラが盗まれた瞬間から、
歴史の歯車は音を立てて狂い始める。

これは、神に見放された祝福者が、
その身に宿す異能で帝国を切り裂く、
復讐と再生の「戦火の物語」。

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