概要
これは、ある男の死からはじまるという悲惨な物語だ
その男は、名前を箕田絜という。享年32歳。左利き。俺達のいるロックバンド『クラーケン』のギター&ボーカルだった男だ。
金儲けでロックやってたアイツ。
アイツを俺はどうやら誤解していたらしい。箕田絜の半生をたどる。
金儲けでロックやってたアイツ。
アイツを俺はどうやら誤解していたらしい。箕田絜の半生をたどる。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ロックをやれば儲ける。 そんな時代があったんだよ!
今の子に「ロック」なんていうと、古い音楽だなあとか思われちゃうんでしょうねきっと。
だからこれは、ロックがギリギリ第一線だった時代のお話なのでしょう。
みんなジョンやジミヘンに憧れて、
二十歳になったら死ぬんだ! みたいは風潮があって、
コールド・プレイなんてロックじゃねえよ! とか言い合ってた時代なのでしょう(ナンノコッチャ)
この物語は、そんな青春を過ごしてきた我々の『癖』に刺さる物語でした。
「オリジナリティがあるものは売れない」
苦い言葉です。
ロックって反体制のことのはずなのに、目につく鼻につくやつは見向きもされないんですな。
でもみんながなんでそんなロックに夢中になっ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!まるで『機械』のようだった彼。でも、そんな彼の心にあったのは……
読後、「彼」がどんな想いで生きてきたのか、色々と想像をめぐらすことになりました。
物語は一人の男が死んだところから始まります。
蓑田潔という、「機械的に物事をこなす」ような特性のある男。
バンドとして「売れる」ことを第一に掲げ、技術はあるが、どうも「魂」みたいなものが感じられない音楽をやる。
「クラーケン」のバンドを実質的に乗っ取る形を取り、独裁的に彼の「正しい」と思う音楽をバンドメンバーにもやらせることになっていく。
「音楽は容量よくパクリをやれば売れやすい」というのを法則として読み取り、それで一時的には成功も得る。
音楽はあくまでも立身出世の道具であり、金を稼ぐための…続きを読む