エルフの村で
クライングフリーマン
エルフの村は・・・
私は反対だった。
だが、村の長老達は、間違った選択をした。
村内会議を無視して、村長の息子を村長にしたのだ。
村長の息子は、「村の掟第一条」をスローガンにして、当選した。
「村の掟第一条」は「おもてなし」で、客人は大事にする、というものだった。
新村長は、4年に一度の「村祭り」で「おもてなし委員長」だったことも当選原因の一つだったが、旧村長の買収も原因していた。
新村長は、「お友達」を沢山招き入れた。実は、新村長は、旧村長の「おもてなし」によって産まれた子供だった。
若い頃は、村外に外遊し、母親の郷里の村に沢山「お友達」を作った。
招き入れた「お友達」は「居心地がいい」と郷里に帰らなかった。
宿泊するだけでなく、住み着いた。
村は「少子化」に悩んでいて、長老達は喜んだ。
そして、村民は増えて行った。
だが、長老達の「計算違い」はすぐに明るみに出た。
新村民は「働かない」村民だった。
従って、「年貢」は増えなかった。
新村長は、旧村民に「年貢の増加」を要求した。
「嫌なら、出て行け!」とまで言い出した。
若者達は、出て行った。
まともな村、「A村」「B村」「D村」「E村」「F村」に。
静かに、速やかに、「夜逃げ」をした。
私は、「旧村長派でない長老」と村を脱出した。
山を越え、脱出する時に村の方を見ると、燃えていた。
「火事だな。あれほど反対したのに、あのバカ親子のせいで、村は無くなる。弥助。噂じゃ食料が足りなくなって、働けなくなった旧村民は殺され、内蔵もろとも食われたらしい。私の体力では、隣村に辿り着けるかどうかは五分五分だ。もし、私が倒れたら、辿り着いた村で、この「真実」を伝えるんだ。」
五時間後。やっと、隣のE村に着いた。
E村の医者に診て貰ったが、長老は・・・。
「エルフの村」と呼ばれた、私の村は、今は「フエルの村」と呼ばれていたらしい。
「フエルの村で」、いや、「エルフの村で」起こった惨劇は、私の子孫が代々伝えた。
「おもてなしは、ほどほどに」という教訓と共に。
「エルフの村」は、伝説になり、地図からは消えた。
―完―
エルフの村で クライングフリーマン @dansan01
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