このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(72文字)
あらすじから感じる不穏な気配とは裏腹に、主人公である中学生の鳥川異丸(とりかわ・いまる)の悩みは普遍的です。学業も人間関係も上手くいかず将来に絶望していた彼が、ある屋敷で心温まる家族の団らんに触れる物語のように見えます。だからこそ不気味です。第一話を読むだけで物語の裏に潜む闇を想像せざるを得ません。温かさと不穏さが同居する独特な雰囲気と読者の想像力を掻き立てる導入。今後の物語の展開を非常に楽しみにさせる巧みな構成に、貴方もきっと恐る恐る次のエピソードへと読み進めることになるでしょう。
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