これを読んだらもう、普通のモキュメンタリーでは満足できなくなるかも!?
- ★★★ Excellent!!!
こ、こらー!!! 子供に何を食わせるんか!!!
給食の献立メニューとその解説、という形で進行する作品です。まさに新感覚モキュメンタリーで、「こう来たか!」とそのアイデアに心を揺さぶられます。
最初に出てくるメニューは「黒パン」。
なるほど、小学校の給食ならでは! そう言えば、こんなの食べたなあ、としみじみと(今の小学生はどうなのか知らないけれど)。
……と、思っていたら、「ほらキター!」というような「何か」が目につきます。
え? どゆこと? これは、食べられるものなの?
ナムルとか出てるからね。普段はあまり馴染みのないアジアン料理。「そういう名前」の食材もあるものね、といったんは落ち着くことに。ほら、「鷹の爪」とかもあるものね。
そして次のページ。「ぐああ!」と呻かされます。やっぱりなんか混じってる!
これはもう、もはや「間違い探し」です。しっかりと献立の中を見ていくと、どうも「何か」が混じっている!!
この小学校では、一体何が起こっている? ここ、どんな環境なの!?
そんな不穏な献立表。それでゾワゾワとする一方、朗らかに「給食おいしかった!」と述べているような元気溌剌な児童たちの声。そのギャップがまたたまらんです。
一話ごとに、油断ならん感じで「何か」が紛れ込む献立。次は何が来るのかというワクワク感。そして発見してしまった時の「やっぱりキター!!」という衝撃。
この作品、絵本とかの形でゲームブック的に販売しても面白いかもしれない。そんな風に1ページごとに「間違い探し」な楽しさも味わえますし、「これは最終的にどこへ行きつくのか」という興味も惹かれます。
……もしかすると、我々は現在「伝説」に立ち会っているのかもしれない。モキュメンタリーというジャンルに革命が起ころうとしているかもしれない。
数年後、このように言われるかも。「ジロギン以前/ジロギン以後」と。そんな強烈なポテンシャルを秘めた作品です。