楽しみながら学べるリライト作品

 こちらは『上野恭介は呪われている』の『異界行き電車に乗って』編 第2話をリライトした作品です。作者の牛捨樹さんが公認しているものです。

 お話は「後輩の上野に心霊調査を頼まれた神田が、間違えて異界へ行く電車に乗ってしまい、降り立った町でクリーチャー(怪物)に遭遇する」という内容です。

 第2話目では、町の異変に戸惑う神田がクリーチャーと出会います。

 異変を認知する方法やクリーチャーの種類と描写が見どこなこの作品。
 異界の様子は鏡文字で表現しています。エアコンの宣伝を書く表現には、一瞬、本当に鏡文字を読まされている気分を味わいました。
 クリーチャーも想像がしやすく、グロテスクでした。

 そしてこの作品、最大のおすすめは、2編書かれているという点です!
 神田のクリーチャーに対する反応が2パターンも読めるのですよ!

 同じキャラクターでも、反応が違うだけでシーンの印象がぐっと異なり、面白いと思いました。
 書き手による差異がないぶん、より印象の違いが明確でした。

 特に2編目は『瞑すべし家』編の後にある話のため、死への恐怖というより死にたくない理由を想像してしまいました……!

 好きな作品だからこそ、楽しみながら学べるリライト作品。
 ご興味がおありでしたら、ぜひ一度、ご一読を!