このお話は盲目の少年絵師・ミツと、根が怖がりの訳あり武士・焔丸が、妖に奪われてしまったミツの目を取り返す為に旅をする時代冒険小説です。
このお話はしっかりした時代考証と馴染みやすいキャラ付けにより、読みやすく親しみやすい作品になっています。また、源頼光や渡辺綱 など実在の人物も登場キャラとして出てくるのは歴史好きな方に嬉しいポイントだと思います。
ときに妖しく、ときに哀愁漂う妖の描写も素晴らしく、オカルト好きの身としてはオリジナルの妖が出る度にワクワクしながら読ませていただいています。
特に妖への名付けにセンスを感じます。私的な楽しみポイントです!
キャラの作り方もしっかりしていて感情移入がしやすいので、気がつくと焔丸のぶっきらぼうな優しさやミツの挫けない強さが好きになっています。
私は特にミツの持つ優しい強さに惹かれました。悲惨な生い立ちでありながらも物理ではない強さを持つ彼は、物理的に強くとも臆病になってしまう焔丸を精神的に導いてくれています。
盲目のミツを導いて旅をする焔丸との対比が美しいな、と感じました。
タグにブロマンスとあるように、旅の中で2人が紡いでいく絆に心を動かされ、これから先2人がどう強く成長していくのかとても楽しみです!
戦闘シーンも読みやすく没入できるこの作品は、ブロマンス好きだけでなく冒険小説が好きな方にもおすすめです。