自分の声は本当の自分を教えてくれる

カセットテープに録音するということを中心にして繰り広げられる、あたたかくやさしい青春の物語。

録音するのは一人一人が違う、弱さであったり、励ましであったり。
自分の声を通して知るのは本当の自分。

録音した声は自分が普段耳にする自分の声とは違って聞こえるはずです。
え、自分ってこんな声だったんだと驚いた経験はあるでしょうか。

この作品では、自分の声と向き合うと共に、一歩ずつゆっくりと自分が本当にしたいと思うことに突き進むのですが、青い春の風を一身に受けられる特異で素敵な時間だからこそ、いっぱいの哀愁と恥ずかしさに立ち向かうことができる。そんな彼女たちの強さをひしひしと感じました。

また、たまには自分の声を録音してみるのも面白いのかなと思わされました。

カセットテープであったり、記録交換用のノートであったり、デジタルよりも人の温度を感じやすい、古くも色褪せない記録媒体に想いを馳せながら、読んでみてはいかがでしょうか。

素晴らしい作品をありがとうございました。