世界の足音が聞こえてくる
- ★★★ Excellent!!!
窓枠の向こうには常に変化を続けている環境があって、内側にいれば温かくて安全で変わりのない日常を享受することができる。
それでも未来を信じ、窓の外側へと手を伸ばすことができる強さは、好奇心のままに成長してきたあの頃からもっているただひとつの力なのだと思う。
窓の内側の中で抱える安心感と閉塞感。外の世界への恐怖と興味などが様々なモチーフによって表現されており、生きることへの純朴さと変化する日常に対する畏怖が丁寧な言葉使いとその並びにより広げられ、詩のイメージが頭へ流し込まれている感覚がしました。
きっと、子猫のまあるくてきれいな瞳に映る世界を知ることはできないけれど、それを解釈し考えることはできる。
人や人に付随する世界は他人では完全に理解することはできないのかもしれないけれど、言葉には自分の意思を伝えるための力があるのだと、力強く感じました。
素晴らしい作品をありがとうございました。