保険の先にある「安心」の正体を、3話でさらりと突きつける
- ★★★ Excellent!!!
『宇宙人襲来保険』は、「保険」というすごく身近な仕組みを入口にして、保険とは何か/備えとは何か/安心とは何か、そして最後に現実とは何かまで、ふわっと問いかけてくる社会風刺SFです。
日本人って、備えるのが得意というか、どこか“備えていないと落ち着かない”ところがあると思うんです。実際、いろんな保険に入っていたりして。
この作品は、その感覚をくすっと笑える形にしつつ、ちゃんと「それって何のため?」って視点を置いてくるのが上手いな…って思いました。
重たく説教っぽくならないのに、読み終わったあとにちょっとだけ胸の奥がざわっとする。
「あ、私もこういう安心の買い方してるかも」って、静かに刺さるタイプです。
しかも全3話でさくっと読めるので、気軽に手に取りやすいのも嬉しいポイント。短いのに、余韻はちゃんと残ります。