瞳を入れたら最後、立ち昇って消えてしまう竜が胸の中にあると確信できるからまだ呼吸してる。わずかな出来事にさえ耳をそばだて、色も香りも己の内に閉じ込めているのに目ばかりが拾う娑婆のあれこれ。肩で風切って歩けたら人間なんていつだってやめられるのに、一角は道の上に無いからあちこち探してる――。嗚呼、やんなっちゃう程男の子。
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