じわじわと侵食される精神。不可解な死の真相を巡る珠玉のホラーミステリー

　雰囲気抜群。そして最終的に着地がどうなるのだろうと、とても興味を刺激される作品です。

　小説家の嶋田崇は、「河童伝説」を調べるために聞き込みを始める。
　彼は後に、川で変死体となって発見された。
　
　一体何が、彼の命を奪ったのか。
　嶋田の残した手記が紐解かれ、彼が死ぬまでに何を目にしたかが少しずつ明らかにされていきます。

　果たして、事件の真相は。
　河童などの超常的な存在が絡んでいるのか。それとも、調査過程で遭遇した誰か人の手によるものなのか。

　徐々に侵食されていく日常。頭の中で響く謎の声。嶋田はなんらかの祟りでも踏んでしまったのか。では、その正体はなんなのか。

　最終的に明かされる真相。これには誰もが驚かされること間違いありません。
　ホラーとしても、ミステリーとしても一級品の輝きを持った作品です。途中の何気ないシーンが伏線となり、ラストで思わぬ形で爆発する。

　じわじわと迫ってくる恐怖と、最終的に明かされる驚愕の事実。是非ともご賞味いただきたい。