正体見たり

こーいち

Pareidolia

 最近のスマホって、カメラのセンサー性能がすごい進化してますよね。

 昔のケータイなんて、暗いところじゃ使い物にならなかったのに、今じゃ暗所撮影もバッチリじゃないですか。


 それで私、考えたんですよ。

 

この暗所性能を活かしたアプリを作ってやろう、って。


“枯れ尾花ジェネレータ”を思いついたきっかけは、そんな感じでしたね。


『アプリを起動して、暗い夜道にカメラを翳すと、“幽霊と見間違えそうな”部分が検出される』


『AIが描画したそれっぽい幽霊が、画面上で動き出す』


 文字にしてしまえばたったそれだけの話ですが、これが中々にウケましてね。広告収入と“広告非表示機能”の売り上げだけで、向こう1年は遊んで暮らせるだけの稼ぎになりましたから。



 ……ただ、最近どうも低評価レビューが目立つといいますか。


 バグの報告がやたらと来るんですよ。


『撮った動画が消せません。修正お願いします』


『アプリを起動すると変な音がします』


『普通のカメラを起動したのに幽霊が出てきます、なんとかしてください!』


 最後のに関してはもうそれウチのアプリ関係無いじゃねーかって話ですがね。


 とっととケータイ屋行けっての。



 その……やっぱアレですね。

 多くの人の目に触れて、ユーザーの母数が増えたんだから、変な奴が増えるのも当たり前って話でしょうか。


 面倒くさい話ですよ、まったく。

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