私の作品に興味を持っていただきありがとうございます。
連載作の進捗について言い訳をしつつ、例によって軽度のネタバレを含む最近の投稿作について述べていこうと思いますので、ネタバレを気にされる方はブラウザバックしていただければ幸いです。
◻︎“廃墟語り”について
普段単話完結の短編ばかり書いている私が、たまには連載作も書いてみたい、などと考え書き始めた本作ですが、ここにきて何を書いたらいいかわからない“無”に陥っています。
ネタはまだ数話分あるのですが、ぶっちゃけてしまえば怖くないんですよね。
単なる『廃墟探索ブログ、写真抜き』になってしまうなと。
……この連作は、かつて私が趣味としていた廃墟巡りの中で体験した、捉え方によっては怖いかもしれない事柄について、“ふしぎ以上ホラー未満”くらいのトーンで書いたものとなっています。
作中に登場する廃墟にはモデルが存在し、実際に私が訪れた場所となっています。
行った人ならわかる程度の手がかりは残してありますし、幾つかのフレーズを拾ってGoogle検索すれば、元ネタにも辿り着けるかと思われます。
なるべく脚色しない事で、私自身の目で見た廃墟の廃れ具合や、鼻で嗅いだカビ臭い空気が伝わればと思っていたのですが……如何でしょうか。
今後もネタが尽きるまではのんびり書いていくつもりですので、気長に待っていただければと思います。
◻︎“口癖”について
私自身たまに独り言で「死にたい〜」と呟く事がありまして、それについて一本書いてみた次第です。
私の口癖に関しましては、多分、「死にたい(とまでは思ってないけど、今の仕事や諸々のしがらみからは解放されたいな)〜」が正であり、本当に死にたいと思うだけの何かがあるわけでは無いですがね。
多分誰しも、それくらいの緩い希死念慮は持っているんじゃないでしょうか。
◻︎“ならわし”について
お盆になると語り手の生家へ訪れる“何か”の正体やその動機については、語らない方が怖いと思ったので、特に言及しないままとしました。
……ここ最近俄かに夏めいており、自室の薄いカーテンを貫通した日差しによって、夜明けと共に目が覚める日が続いていまして。
そんな私が編み出した苦肉の策が“枕を顔の上に載せて眠る”でした。
この状況が客観的に見たらホラーだなと思い、そしてこの掌編が生まれたわけです。
◻︎“故あって”について
ナイフメイキングに興味があり、情報収集している過程で知った、鋼材についての知識が、怪談のネタになるんじゃないかと考え創作に至りました。
事故物件や事故車の様な訳アリ案件の故と、人斬りチェンソーをナイフに作り変えた故、そして取調室で行われる供述の故。
3つの“故”が重なるタイトルは、手前味噌ですが、かなり気に入っています。
以上、4作分の後書き(と、言い訳)でした。
読んでいただき、ありがとうございます。
……“廃墟語り”について、最後にひとつだけ。
今作に描写されている“ちょっと怖い”部分が実体験である事の証拠として、写真を載せておきます。
あの手形、本当に廃墟の中にあったんです。
どこまでが実話でどこからが創作か、その点についてはご想像にお任せしますが。
