血の色の宿縁が結ぶ喫茶店で



全体を通し、不思議と柔らかな印象なのは、どこか傷ついた登場人物が身を寄せ合い、なんだかんだ言って助け合う姿故か。

それとも、登場人物一人一人が抱える血生臭い過去が原因だろうか。挿話として、突如として現れる眩いぐらいの鮮血の描写が、否が応でもそれ以外をゆったりに感じさせるのかもしれない。

一見無関係そうに見える喫茶店の夫婦と従業員だが、読み進めるごとにぞっとするほど強烈な因果に塗れていることがわかるだろう。よくもまあそんな、あっさりとした、或いは和気藹々とすら感じられる雰囲気が醸し出せるなあ、と思うぐらいに。

どろどろと渦巻く人間関係、過去の因縁。そしてそれらが一体どんな未来に結び付くのか。目が離せないファンタジーです。

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