いいねの交流をきっかけに、こちらの作品に触れました。
美しい桜の大樹の描写から「生まれ変わり」を感じさせる冒頭は、とても印象的で、どこか現実から切り離されたような不思議な世界観に引き込まれます。
ところが数話読み進めると、その美しさとは対照的に、鬼気迫る展開が怒涛のように続きます。
(やや生々しい描写もありますが)
「一体、何が起きたのか?」と読者を一気に釘付けにする場面があり、
何故?
何が起こった?
という疑問を強く抱かされる作品だと感じました。
その「何故」を理解したい、という欲求が、この物語を読み進める原動力になるのだと思います。
現在342話と非常にボリュームのある作品なので、僕が拝読した部分は、まだ物語全体から見れば序盤、あるいはエピローグにすぎないのかもしれません。
ただ、ここまで読んで感じたのは、
「因果律にも、さまざまな形があるのだな」ということでした。
この作品に描かれる因果律を理解することが、冒頭で提示される「何故?」を理解することにつながっていくのだろう、と。
その「何故」が腑に落ちる頃には、きっとこの物語に深く引き込まれている――
そんな予感を抱かせる作品だと思います。
この作品は、桜と血液をモチーフに、幻想的・耽美的な美しさを詩的に描いています。
語彙豊富に美しい詩のように、けれども分かりやすく情景を描く手腕が素晴らしいです。
◇◆◇◆◇
34話までの主な登場人物は
・イケメン陰陽師
・無口な美人魔女
・包帯の子ども姿の式神(イケメン陰陽師が使役している)
・転生者、男女各一人、計二人
舞台は和洋折衷の、現代的異世界
これだけ先に知っておくと、だいぶ見通しがいいと思います。
◇◆◇◆◇
登場人物は、それぞれ辛い過去を抱えていますが、そのぶんこの五人は大切にしあうようになります。
物語の舞台となる喫茶『桜』は、この五人にとって大切な場所です。軽く飯テロ気味の温かく美味しいご飯もいい雰囲気です。
大切な場所、大切な『家族』『主(あるじ)』『友』『仲間』ですから、それを守るべきときには残酷になります。
しかし、その残酷が実に美しいのです。
(例えが古いかもしれませんが、高橋葉介とか好きな人にはたまらないと思います)
私は読んでいてとても楽しめました。お勧めいたします。
(このレビューは、第34話を読み終えた時点で書いています)
私は「Sakura Requiem」の冒頭、ラシェル・カメレリスの物語が大好きです。
他の人になりたいという彼女の願いは、とてもシンプルで人間らしいものでした…しかし、それは呪いへと変わってしまいます。
自分の欲望が時に自分を縛るというこの考え方は、とても魅力的で、同時に詩的です。
夢と現実、希望と結果の間の緊張感が、ひとつひとつのシーンをとても引き込まれるものにしています。 🌸
> 「望むものには気をつけろ、手に入れてしまうかもしれない。」
この一言は静かな警告のように響きます。時に、私たちが最も望むものこそ、私たちを永遠に変えてしまうものなのです。
全体を通し、不思議と柔らかな印象なのは、どこか傷ついた登場人物が身を寄せ合い、なんだかんだ言って助け合う姿故か。
それとも、登場人物一人一人が抱える血生臭い過去が原因だろうか。挿話として、突如として現れる眩いぐらいの鮮血の描写が、否が応でもそれ以外をゆったりに感じさせるのかもしれない。
一見無関係そうに見える喫茶店の夫婦と従業員だが、読み進めるごとにぞっとするほど強烈な因果に塗れていることがわかるだろう。よくもまあそんな、あっさりとした、或いは和気藹々とすら感じられる雰囲気が醸し出せるなあ、と思うぐらいに。
どろどろと渦巻く人間関係、過去の因縁。そしてそれらが一体どんな未来に結び付くのか。目が離せないファンタジーです。
タイトルにも入っている通り、これほど桜のイメージが似合う作品は無いのではないか⋯?と言うくらい美しい文体が光ります。是非お手本にしたいです!
桜の大樹も実際に出てきますが、どういった意味を持つのかにも注目していただきたいですね🤔
ストーリーは謎の不思議カフェ・喫茶 桜を舞台に次々とやってくる転生者達を迎えるお話。ですが決してほのぼのだけでは終わらせません。
特に過去編である桜塚家のお話は思わず絶句するほど、目を離せない鮮烈な内容となっておりますので是非読んでいただきたい内容です🌸✨
時也さんが体験した衝撃的すぎる結末に驚くことになるでしょう⋯
和洋風ファンタジーの名の通り、和と洋のどちらも楽しめる作風ですので沢山の方にオススメさせていただきます(*´ω`*)
物語の運び方から言葉遣い、そして言葉の選び方まで、とにかく美しい作品です。
物語を読んでいるはずなのに、気付けばまるで一篇の歌を聴いているような、不思議で心地よい感覚に包まれました。
時也とアリアが互いを大切に想い合う気持ちは、行間からも静かに伝わってきて、読み進めるほどに胸が温かくなります。
言葉にしすぎないからこそ、二人の距離や想いがより深く感じられました。
そして、レイチェルとソーレン。
この二人の関係性が本当に魅力的で、登場する度に目が離せませんでした。緊張感の中にある信頼や想いが丁寧に描かれていて、すっかり“推しカップル”です。
美しい文章と、登場人物たちの繊細な感情が重なり合う、とても印象に残る作品でした。
これからの展開も楽しみにしています。
小高い丘にある喫茶店
そこには、呪われた「不死の魔女」と、彼女を守る異能の者たちが住んでいる
魔女の凄惨で哀しい過去
彼女にかけられた呪い
彼女はいつも、その過去と呪いのせいで、命の危機にさらされている
血のにおい、死の気配が濃厚にただようストーリー展開で、
バトルシーンも実におみごとなのだが、ただバトルが続くだけではない
魔女を愛し、命がけで守ろうとする人々がいる
そして、魔女もまた、彼らを命がけで愛しぬこうとする
これは、「不死の魔女」と、その「家族」となった者たちの愛の物語
そして、家族それぞれが過酷な運命にも屈せず、
幸せになることをあきらめない希望の物語
おすすめポイント
・登場人物の異能バトルがしびれます
・もだもだ恋愛パートと、しっとりとした大人の恋愛パートにもだえます
・ラスボス(?)の鬼畜ぶりに、「きーっ」となりつつ、きっと最後には主人公たちが勝つに違いないという期待をいだきます
ご一読ください
始まりの場所が喫茶店。
何だか、いいぞ、何かが始まるぞ、とワクワクする出だし。
一昔前は、喫茶店って確かに、人生の何かが始まったり、一つの何かが終わったりする場所でありました。
そう思うと、人生の交差点でもあり。
こちらの物語にとても象徴されているなあと感慨深いものがあります。
それぞれに過酷で苦しみも抱えたキャラクター達が、それでも思い合って寄り添うようにして生きて行く姿。
血を流して、流させながら、やっぱり生きたい、生きさせたい、救いたい、救って欲しいと、そう叫ぶかのような物語だと思います。
やっぱり人を救えるのは人しかいないんだなあと、心に落ちるような物語です。
どうぞご一読くださいませ。
冒頭から息を呑む情景。深い森の奥、小高い丘に鎮座する一本の桜。
その桜の下に集うのは、人でありながら大きな力を持ち、抗えないほどの命運に飲み込まれながらも、その桜と同じように立ち続ける人々です。
喫茶「桜」に登場する人物は皆それぞれに過酷な過去を抱えていますが、今なお背負わされた自分の力と恐怖しながらも向き合う姿が描かれています。
これは個人的な感想ですが、ひとりひとりに感情移入しながら読み進めるうち、人の傷との向き合い方を自然と考えさせられるストーリーに胸をうたれました。
痛ましく残酷な描写もありますが、それは決して悲劇を語るためではなく、彼らが受けた生々しい傷をどうやって抱えようとしているのかを伝えてくれます。
そして喫茶店の中で交わされる人と人との交流は、そんな彼らだからこそ分け与えられる心のあたたかさが滲みでているように感じられます。
ぜひ一度、この喫茶の扉を開けてみてください。
「篶かしい 愛巡りとて 残花せし」という一句は、まず“篶(すげ)かしい”という古語の響きが胸に残る。荒れた水辺に立つ薄く脆い篶の景色を思わせ、そこに“愛の巡り”が重ねられることで、読者は最初から“壊れやすい関係”と“移ろう感情”を予感せざるを得ない。
そして結句の“残花せし”が、その予感を静かに裏切り、強く肯定する。散りつつもなお枝に残る花のように、愛の形はすでに死に向かっているのに、まだ美を宿してしまう。その矛盾と痛みが、短い十七音の中で濃密に醸されている。
この俳句を入口として語られた物語は、愛・残酷・性という三つの要素が、単なる刺激ではなく“生の本質を露わにする装置”として機能している点が印象的だった。愛はやさしさではなく依存や執着へと転じ、残酷さは暴力の形を取りつつも、実は「相手を手放せない弱さ」の別名として描かれる。性についても、官能よりむしろ“境界が曖昧になる瞬間”として扱われ、肉体と心がずれることで登場人物たちの歪んだ輪郭が浮かび上がる。
特に秀逸なのは、この物語が“美しい破滅”の感覚を一貫して保っていることだ。誰もが誰かを求めて傷つけ、奪い、押しつけ、壊し、また拾い上げる。それは倫理的に正しくない。しかし、人が誰かを愛するとき、どこかに必ず影が差す――その現実を、物語は冷静かつ詩的に描いている。まるで残花を指先でそっとすくい上げた瞬間、もう崩れ落ちると知りながら目を離せない、そんな感覚だ。
俳句が示す“余韻の美”と、物語の“容赦ない生々しさ”が交錯することで、作品全体には不思議な静けさが流れている。血や涙の温度すら、どこか遠くから眺めるような冷たさ。しかしその冷たさこそが、愛の残酷さと性の衝動を、より一層鮮やかに浮かび上がらせる。まさに残花のように、散りながらも強い生の輝きを放つ物語だった。
最後に。
特殊なレビューを試してみました。お気に召さない場合、削除いただいて構いません。
不死の魔女やそれにまつわる転生者達による、前世から続く因縁が語られる物語です。
内容としてはシリアス寄り、血がいっぱいのシーンなどありますが、そこまでキツめのグロ要素は無いと思います。
個人的に惹かれたのが、プロローグから第一話にかけての美麗すぎる風景・情景描写です。
お手本にしたいと言いますか、教材レベルでお見事です。
物語全体の儚げな雰囲気により深みと透明感をもたらしていまして、難解過ぎない語彙のチョイスのため、読む際の煩わしさも感じません。
文章の書き出しに困った作者さんがいるのなら、是非参考に読んで頂きたいです。
概要は上記の通りなのですが、いわゆる異世界転生系ファンタジーではありません。
第25話まで読んだ限りでは、現代を生きる人達が凄惨な過去生の影響を受けて、どう生きるかが主旨になっています。
まずは6話くらいまで読んで頂ければ、その辺り掴めてくるのかなあと思います。
キャラクターとしては、シナリオ上重い過去を持った、何かしらの傷を抱えた人が多いです。
私個人としては、喫茶店の先輩ウェイターの男性が好みのキャラクターでした。
ぶっきらぼうのようで優しい、綺麗好きなのに大雑把なキャラでして、悪ぶっているのに根は正直そうなところがイイ味出していると感じました。
この通り、本作は作者様の文章力の高さが窺えつつ、儚い物語も深みがあって見どころ満載の物語となっています。
シリアスな伝記系が好きな方は、気に入るのではと思います。
深い森の奥、誰も踏み入らぬ丘に咲く“血の桜”。
そこから──“彼”が再び目を覚まします。
息を潜めた森の空気の中で、読者はすぐにこの世界の“鼓動”を感じ取るでしょう。
濃密な描写で綴られる森と桜の生命感、そして包帯に覆われた幼子と、桜から生まれる青年。
言葉を交わさぬままに交錯する視線と沈黙が、ただならぬ過去の気配を放っています。
この“再臨”の光景こそが、本作の扉です。
──なぜ彼は蘇ったのか。
──そして、彼が探す“彼女”は、もうどこにもいないのか。
その問いが、物語の根幹を静かに貫いていきます。
舞台はやがて喫茶店「桜」へと移り、神話と現代、記憶と罪が絡み合いはじめます。
悲しみさえも美しいと思わせる筆致に、気づけば物語の奥へと引き込まれていくでしょう。
喫茶店「桜」で紡がれる、“願いと再生”の物語に、ぜひ触れてみてください。