王道ファンタジーの世界観でありながら、「戦わない英雄」を主人公に据えた着眼点がとても魅力的でした。
棺を運び、倒れた者を教会へ届けるという役割は重く、静かで、それでいて確かに誰かを救っている仕事だと伝わってきます。
準備回でありながら、鍛冶屋や道具屋、教会とのやり取りを通して主人公アーロンの人柄と信頼関係が丁寧に描かれており、世界にしっかり根を張った物語だと感じました。
異次元の蔵という能力も仕事と密接に結びついていて、説得力があります。
最後の緊急依頼への流れも自然で、これから始まる物語への期待が高まりました。
派手さよりも誠実さが光る、良質な導入回だと思います。
「戦士でも勇者でもない男」が主人公、という立ち上がりからもう惹きつけられました。
彼がやっているのは魔王討伐でもお宝探しでもなく、「ダンジョンで倒れた者たちを、棺に納めて教会まで送り届ける」という地味で、けれどとても尊い仕事。
準備の場面での鍛冶屋や道具屋、教会とのやりとりから、人間関係のあたたかさと、日常の積み重ねの上に成り立つ“仕事”の重さがじんわり伝わってきました。
棺を連ねて引き返していく姿や、「棺は汚さない」というこだわりには、職業としての矜持と、亡くなった者たちへの敬意が滲んでいました。
表舞台には立たない“救出屋”
それは「戦士でも勇者でもない "英雄"」
戦士でも勇者でもない私たちも目指すべきなのでしょう、誰かの英雄になることを