魔女達の儚い運命の物語、繊細な描写が彩りを加えています

不死の魔女やそれにまつわる転生者達による、前世から続く因縁が語られる物語です。
内容としてはシリアス寄り、血がいっぱいのシーンなどありますが、そこまでキツめのグロ要素は無いと思います。

個人的に惹かれたのが、プロローグから第一話にかけての美麗すぎる風景・情景描写です。
お手本にしたいと言いますか、教材レベルでお見事です。
物語全体の儚げな雰囲気により深みと透明感をもたらしていまして、難解過ぎない語彙のチョイスのため、読む際の煩わしさも感じません。
文章の書き出しに困った作者さんがいるのなら、是非参考に読んで頂きたいです。

概要は上記の通りなのですが、いわゆる異世界転生系ファンタジーではありません。
第25話まで読んだ限りでは、現代を生きる人達が凄惨な過去生の影響を受けて、どう生きるかが主旨になっています。
まずは6話くらいまで読んで頂ければ、その辺り掴めてくるのかなあと思います。

キャラクターとしては、シナリオ上重い過去を持った、何かしらの傷を抱えた人が多いです。
私個人としては、喫茶店の先輩ウェイターの男性が好みのキャラクターでした。
ぶっきらぼうのようで優しい、綺麗好きなのに大雑把なキャラでして、悪ぶっているのに根は正直そうなところがイイ味出していると感じました。

この通り、本作は作者様の文章力の高さが窺えつつ、儚い物語も深みがあって見どころ満載の物語となっています。
シリアスな伝記系が好きな方は、気に入るのではと思います。

その他のおすすめレビュー

濱丸さんの他のおすすめレビュー295