概要
ばあちゃんの家の縁側には不思議な風鈴が吊るされている
紫色の小さな蕾が描かれた風鈴。それは風に揺れても鳴らない。ばあちゃんに聞いてみたが、壊れて鳴らないわけではないらしい。僕はその不思議な風鈴を眺めながら冷えた麦茶を飲む、ゆっくりとした時間が好きだった。
ある年、僕は初めて涼しい春を迎えた。その春、いつもよりも温い麦茶を飲みながら縁側で風鈴と庭の植物たちを眺めている僕は温かくて優しい、そして不思議な光景を目にすることになった。
ある年、僕は初めて涼しい春を迎えた。その春、いつもよりも温い麦茶を飲みながら縁側で風鈴と庭の植物たちを眺めている僕は温かくて優しい、そして不思議な光景を目にすることになった。