嵐のあと、城は現れ、運命が動き出す
- ★★★ Excellent!!!
かつて静かに息づいていた北海道・風華町。
その平穏は、今世紀最大級の台風と共に一瞬で崩れ去った。
畑は荒れ、湖は干上がり、町の象徴は瓦礫と化す。
そして翌朝。
瓦礫の中心に、存在するはずのない城が出現する。
荘厳な城楼、異国の文様、刻まれた名は「鳳天府」。
歴史にも記録されず、理論も通用しない。
その存在は、世界の境界が揺らいだ証だった。
同じころ、異世界。
ひとりの日本人青年・犬塚久遠が目覚める。
与えられた職業はネクロマンサー――死者を操り、契約を刻む存在。
辺境の村で始まる奇妙な祭り。
無垢な少女、蠢く追手、そして――異能の発動。
異世界と現実を繋ぐのは、嵐か、それとも運命か。
これは、記録されざる「最初の裂け目」から始まる物語。