いい文芸家になりたいなら、健康を維持しろ

隅田 天美

全ての根幹は健康から

 若かったころにできていたことが年齢を重ねるたびに負担や出来なくなることは、よく聞く話ではある。


 実際、人間の体は二十代をピークにして心身ともに衰えていく。



 春になると入学や就職などで希望に期待を膨らませる若者がいる一方で精神などの限界で退職や登校拒否になる人も多い。


 今でこそ、発達障害などの脳の障害(病気じゃないところに注意)の理解も徐々にではあるが進み、環境も整いつつある。


 だが、今でも偏見もあるは事実で、「努力次第で治る」という精神論を信じているものも多い(そして、出る詐欺まがいのインチキ科学療法)。



 その中で筆を折る人も多い。


 仕事の多忙や受験の影響もあるだろう。



 だが、それでも、「自分は作家になりたい」と思う人にアマチュアの先人として一つアドバイスを送る。


 それは、「常に健康であれ」ということだ。


 人気作家の真似をしてぶっ通し徹夜をしたり、体が不調なのにネットで『毎日更新します』と書いた手前、無理をする。



 本人には大変申し訳ないが、そんなの意味はない。


 脳と体は繋がっている。


 体が不調なら脳も機能不全を起こす。


 いい文章なんて書けない。


 脳が機能不全なら体は混乱する。


 

 まずは、健康維持を第一目標にする。


 小説というか、文章でいいものを作るのなら、徹夜なんて厳禁だし(まあ、それでもコンテンツがいいのがあって徹夜する気持ちもわかる)食事をちゃんと食べる、運動をするなど。


 こういうことを書くと、実際、『言うは易し、行うは難し』で長く続けるのは難しいだろう。


 でも、逆に言えば、これをしてようやく最前線に立てる最低条件でもある。



 まずは、少なくても平日は必要最低限(私の場合、帰宅後、夕食を食べて風呂を作り、その間にパソコンで小説などを書き、出来上がった風呂に入り身支度と薬を飲んで寝る)のことをしたらとっとと寝る。


 食事は面倒でも食べる(最悪、インスタントやコンビニでも可)。


 運動の話になると私は電車通勤なので否応なく毎日歩く習慣があるが、金曜日・土曜日はジムで汗を流す。(なお、土曜日は心の病院もある)



 さりとて、物価高の今。


 ジムで汗を流すのにはお金がかかる。


 実際、ここ数年でジムの会費も上がった。


 ので、裏技を少々。


 それは早朝の散歩。


 目が覚めたら、とりあえず着替えて外に出て町内一周でもいいから軽く歩いてみる。


 すると、意外な発見がある。


 空気の冷たさや日の温かさ、町内の知らない人の苗字、廃業した店……


 気分転換にもなる。


(ただし、お住いの場所によっては野生の動物が出たりする場合もあるので、そこは自己判断でお願いします)



 後付けで健康習慣を見つけようとする人が多いが、それは無理。


 習慣とは長い時間がかかる。


 それこそ、月や年単位だ。


 また、サボりたいときもあるだろうし(ここでアドバイス。実はサボりたいときはサボっていい。習慣付けで一番落ちるのは無理やり続けて止めること。逆にやりたくなるまでサボるのも一つの手)、都合の色々あるだろう。



 ただ、健康習慣を見つけることは作家に限らず、人生でも得が多い。


『いい仕事に徹夜は敵だ』と、かの、飛んだ豚も言っていた。

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