妖しい神の饗宴、緊張と猟奇が交錯する夜
- ★★★ Excellent!!!
<第1話を読んでのレビューです>
「鋭い痛みと、鉄錆めいた熱い血が口の中に広がっていく」という描写に、この作品の強烈な世界観と緊迫感が凝縮されている。日常の延長線上にある大学生活やコンパの描写から、突然の猟奇的展開に移行する手腕が鮮やかで、読者をぐっと物語の渦中に引き込む。
オダマキの心理描写を丁寧に重ねることで、恐怖と混乱、欲望や狼狽えが同時に立ち上がる瞬間をリアルに表現されている。また、ウツギやツバキといった異形のキャラクターの非日常性が、日常描写とのコントラストで際立ち、物語に強いインパクトを与える。「ウツギは、静かに見下ろしていた。笑みを貼り付けた、しかし無機質な眼差しで」という一文は、恐怖と魅惑が同居する存在感を、短い文章で鮮明に読者へ伝える巧みさがある。
異形の存在と人間の日常、甘美な饗宴と残虐性が入り混じる描写は、読む者の想像力を刺激し、文章全体のテンポと緊張感を維持している。読後には不思議な満足感とぞくりとする感覚が残る、鮮烈な物語の開幕でした。