心の声を消す恋、純度100%の結末

リーナ:「読ませていただきましたわ。読了後の余韻……まるでグラスの底に残ったワインのようでございますわね。ほろ苦くて、でも、ほんのり甘くて」

ザック:「うん。俺はですね、物語の構成が好きです。もうは王道の恋愛ものなんですが、能力設定が面白いんだよ。“アンチサイ”と“テレパシー”――これが物語をただのラブストーリーじゃなくしてるんだよね」

シアン:「心が静まる感じがします。いいなと素直に思えますよ」

リーナ:「ふふ、その通りですわね。あのシーン……莉子の頭の中のノイズが、悠と一緒にいることでふっと消えていく……あれは、心を撫でるような描写でございましたわ」

ザック:「終盤のプラネタリウムも良かったね。偽物の星空と本物の夜空、対比が効いてました。“やっぱり、本物の方が綺麗だ”ってセリフ、あれは決めてきたねぇ。僕ならウィンクしながら言うところだね」

シアン:「……やめときましょ、それは。あそこで、二人の距離が変わりましたよね」

リーナ:「ザックは細かいセリフまでよく覚えてますわねぇ。あたくしは、美咲ちゃんの友人としての立ち位置に胸を打たれましたわ。恋人でもないのに、まるで舞台裏で主演を支える黒子のように……可愛い友情ですもの」

ザック:「ああ、あの買い物シーンね。リアルだったよね。化粧水だの乳液だの、具体的な小物の描写が効いてて、現実感があるんですよ」

シアン:「現実感があるから、嘘が響くんだよね」

リーナ:「あら、深いことをさらりと言いますのねぇ。ええ、だからこそ、物語の中の“嘘”――陽キャを演じる莉子の仮面が際立つのですわ」

ザック:「文体は素直で読みやすかったです。複雑な比喩とかは使わず、情景をきっちり描いてくれるのも想像がふくらんで物語の没入できてよかったです。構成もしっかりしていて、迷わない。ラストの海辺のカフェなんて、映像が浮かびました」

リーナ:「星空と海辺、偽物と本物。まるで舞台装置を入れ替えるように、場面が転換していくのも素敵ですわ。あたくし、ブランコに腰かけて語り合う場面が特に好きですわ。あの静けさ、沈黙までもが台詞になっているんですもの」

シアン:「余計な音がないのが、またいいんだよね」

ザック:「正々堂々、王道できちんと読ませてくれる物語で、素直に応援したくなる二人が描かれていました」

リーナ:「ええ、まさに青春の一幕。ところで……このレビュー、どうやら桑葉が勝手に自分のお話に出てくる登場人物に語らせているらしいですの。お邪魔だったら容赦なく削除してくださいませ。」

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