改めて第一章完結まで読み込みました。
加筆されて、説明が多くなりましたが約千年後の現代では第一次世界大戦のような
剣と魔法ではない
航空戦の大量殺戮の時代が残っているようです。
この関係性の歪さが、ただのサディスティックな支配でも、甘い救済でもないところが刺さる。戦争の残り火を背負った女と、彼女を手放せなくなった男。救済か、支配か、それとも愛か――問いそのものが、物語の体温になっている。
文章が端正で、静謐さと激情が同居しているのも魅力だ。残酷な描写があるのに、決して煽らない。むしろ、炎の中で狂乱する人々や、瓦礫の上で泣く力さえ失った人々を「軍人として記録する目」と「ただの人間として耐える心」の両方で見つめるイオトセの視点が、静かに胸を焼いてくる。
第一章完結時点ですでに、ただのダークロマンスを超えた「戦後」の匂いが濃厚だ。国家が瓦解しても、人間はまだそこにいて、息をする。その事実の重さを、丁寧に、容赦なく描いている。
感動した、というより「焼き付いた」に近い。続きが、怖いほど待ち遠しい。