夜と記憶と恋慕が、静かに交差する迷宮

ザック：「とっても、丁寧な物語だね。それに、文章のリズムが小気味いんですよ。ひとつひとつの場面が、繊細で、壊れてしまいそうです」

シアン：「静かだけど、深いよね。読んでると……息苦しくなるのは私だけでしょうか」

リーナ：「陸と天馬の関係性の描き方が絶妙ですわね。愛と執着、そして忘却の狭間で揺れる心を、セリフや描写でふわりと漂わせていて……読んでいるこちらまで、記憶を試されているような気分になりましたわ」

ザック：「第4話の屋上で天馬が告白するシーン、あれいいよね。声にならない想いが、朝焼けに染み込んで消えていくような……そんな余韻が残りました」

シアン：「第11話の駅のシーンも……手を掴む、その一瞬に全部が詰まってたんじゃないでしょうか。こっちの作品では”その手を離して”だったのに」

リーナ：「シアンさん、人の作品のレビューで自作のことを言うのは失礼ですわよ。それから第14話。あの手紙を突き返す陸の震えた手……あれは忘れられませんわね。構成もきれいで、短い話の積み重ねが、最後にひとつの旋律になるのですもの」

ザック：「淡々と進むのに、いつの間にか物語に絡め取られる感じだね。星が出てくるシーンが多いのもいいのよ。記憶と星空を重ねているみたいで、読んだ後、夜空を見上げたくなります」

リーナ：「勝手に桑葉が自分のお話に出てくる登場人物に語らせるレビューを作っているようですの。お邪魔だったら容赦なく削除してくださいませ。」