神様の理不尽に挑む、やさしい選択の物語

 この物語は、“神様の言うとおり”という一言では片付けられない、人間らしい葛藤と温かさが詰まった異世界ファンタジー。

 主人公カレンは、理不尽でどこか憎めない神様に振り回されつつも、自分で選ぶことの意味を模索していきます。頼れる相棒タントスとのやり取りや、舞台となる中世風の屋敷に隠された家族の想いなど、細部にユーモアと繊細な情感がちりばめられ、読んでいるうちに思わず微笑んだり、胸が締めつけられる場面も。万能の力があるのに「万能ではない」制約の妙や、課題解決の過程で問われる“選択”の重みが、優しくも深い余韻に浸れます。

 哲学的な問いかけや家族ドラマが好きな方、理不尽な運命にちょっぴり抗いたいあなたに、ぜひおすすめしたい一作です。

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