取り替えられた二人の子ども。大人の都合でした。しかし子どもたちは境遇を知り、思い立つことは……一見すると単純ですが、短い本編を読み返すと実はいくつかの層があり真相が深く隠されていることに気づきます。中枢の素直さと上辺を重ねる欺瞞。何が良くて何が悪かったのか。良し悪しは言えません。二人は、最初にボタンを掛け違えられ、人間も妖精も全てを覆す神ではありません。世を悟る如き物語です。
昭和の時代には、「子どもの取り違え」はしばしば起きていたといいます。もちろん意図的ではなく、医療体制が整っていなかったが故のミスでした。しかし本作では、意図的な取り替えが行われます。そうして育てられた子どもは、育ての親の世界と生まれの親の世界、どちらの味方をするのかでしょうか彼らは己の人生に後悔はなかったのでしょうか。短いながらも、色々と考えさせられる作品でした。
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