地学実験室に集う放課後

1990年代、北関東の地方都市にある進学校。
放課後の地学実験室には、天体望遠鏡を覗く者、標本を作る者、無線で遠くの声を拾う者——そして、ただなんとなく居座る者がいた。

高校2年の麟太郎は、ある日、学年中の陰キャが揃う科学部に入部することに…。

無気力な生物班の拓、威圧感のある美人部長の天野かぐや、愛嬌のある副部長斉藤有希、そしてアイドル的存在ながらクラスでは孤立している日向さつき。
個性豊かな部員たちの中で、麟太郎は「何者でもない自分」から動き出す