空から降ってきたのは誰より特異で極々普通の女の子だった

 5月某日、校舎外のベンチで趣味の独り飯を楽しんでいた遠坂緋高は、空から降ってきた桐谷香織を助けたことにより、最後に残していた大切な唐揚げを失ってしまう。打ちひしがれた彼へ詫びるため教室を訪れた香織は、代償としてなにかできることをしたいと提案。面倒がる緋高と押し問答した末、放課後の勉強会を開催することを決める。

 空から女の子が降ってくるという王道ど真ん中な開幕、それを苦々しく濁らせることで先の展開への引きを作りつつ逆にキャッチーなものとする。実に巧みな構成です。

 そうして始まる勉強会、香織さんは入学以来全教科で学年1位をとり続ける才女で、講義は実に難解です。でも緋高くんは彼女と向き合っていく中で「頭がいい香織さんではない香織さん」を見つけていく。そう、ごく普通の高校生女子である彼女の真実を。まさに新しい法則級の大発見ですよ。いやそれよりも最高なボーイミーツガールですよね!

 緋高くんのまっすぐな思いはいったいどんな結末を魅せてくれるでしょうか? 御自身の目にてご確認ください。


(「甘いか辛いか片思い」4選/文=髙橋剛)