第65話 避難民を救え②
広島から真っ直ぐ鳥取へと向かうこと十数分、鳥取にある
外壁がぼろぼろになった
そして、ここは鳥取砂丘ダンジョンからワーム系の魔物が押し寄せてきているようだ。あいつらは地面を掘りながら進んでくるので探知がなければ索敵が難しい。しばらくこの集団に同行しよう。
僕は身体の光をできるだけ抑えて、青い鳥っぽく見せて避難民のもとへと向かった。
▽▽▽
「あ、鳥さんだ! 青い鳥さんこっちにおいで!」
周囲を警戒している
ただ、子どもは無邪気に喜んでくれているが大人達はそうはいかない。
避難民の人達は僕から離れるように動き、
ピィィィ
フェニックスの鳴き声がどんなものかわからないけど、とりあえず普通の鳥っぽく鳴いてみた。そして、
「襲いかかってこないところを見ると、普通の鳥みたいだな」
その状態が数分続いたところで、
「先に進もう」
避難民達がぞろぞろと動き出したのを確認していたら、子どもが僕の方に手を振っているのが見えたので、翼を振り返してみた。
「お母さん、鳥さんが手を振ってくれたよ!」
「えっ? そんなことあるわけないでしょ。さあ、さっさと歩いていくわよ」
そんな親子の会話を聞きつつ、僕はまた空へと飛び立ち旋回しながらついていく。もちろん、探知で
(来た、大きめのワーム一匹。
避難民達の後をついていくこと数十分、ついに
「何だ? さっきの鳥か? 何であんなところでぐるぐる回ってるんだ?」
「おい、あの鳥の下を見てみろ! なんか動いているぞ!」
「ワームだ! グラウンドワームが来たぞ! 総員戦闘準備!」
僕の動きが伝わったようで、
ブシュ!
まずは先制攻撃とばかりに弓使いが矢を放った。その矢は盛り上がっていた地面に刺さり、ワームまで届いたようだった。
「ギョォォォォ!」
気持ちの悪い鳴き声を上げながらワームが地面から飛び出した。直径一メートル、体長は五メートルほどはありそうだ。身体の先端は大きな丸い口となっていて、鋭い刃がぎっしり生えている。
(こいつに目はなさそうだから魅了スキルは効かなさそうだな。さて、どうやって援護しようかな)
当然だけど、避難民や
とりあえず、いつでもサポートに入れるように低空飛行で旋回しながら、様子を見ることにした。
「あの鳥のおかげで助かったな! 幸運の青い鳥ってか?」
剣を構えたこの中でもリーダーっぽい男性が叫ぶ。うんうん、そう思ってくれるとありがたい。
「もう一発いきます! その後はお任せします!」
弓を持った女性の凜とした声が響く。その言葉通り、弓使いの女性はもう一度矢を放ち、ワームの胴体へと突き刺さった。
「ギョォォォォ!」
今度は最初の矢より深く刺さったようで、緑色の体液をまき散らしながらワームが距離を詰めてきた。ダメージはあるが勢いを止めるまでには至らなかったようだ。
「十分だ、お前さんは下がってろ! みんないくぞ!」
「「「おう!」」」
弓使いの女性はいったん下がり、リーダーのかけ声とともに剣と槍を持つ男性
彼らが倒されれば次は自分達の番だ。武装もしていない避難民達は為す術もなくやられてしまうだろう。それがわかっているから、人々は祈るような目で
最初の攻撃でダメージを負っているとはいえ、四人の
(このままじゃ、やられてしまいそうだ。そろそろ僕の出番だね)
その様子を見ていた僕は、最後の一人が弾き飛ばされたタイミングでワームの頭目がけて急降下した。
ザシュ!
すれ違いざまに、爪でワームの頭部分を切り裂いてやった。たったそれだけで、ワームの頭部が半分千切れかかってしまった。
「ギョォォォ……」
力なく鳴いて地面に倒れるグラウンドワームさん。
「な、何なんだいったい!?」
「と、鳥だ。青い鳥がワームを!?」
「おい、チャンスだ! トドメを刺すぞ!」
「お、おう」
ワームの弾き飛ばされ地面に倒れていた
「やった! レベルが上がったぞ!」
「俺もだ! これでまだ戦える!」
もう、僕のことをすっかり警戒しなくなったようで、目の前にとまっても武器を構えるどころか今にも抱きしめてきそうなくらいの笑顔でこっちを見ている。
「ピィィィィィ!」
僕は自分の鳴き声に合わせて治癒魔法をかけてあげた。
「おお、おお!? ケガが治っていくぞ!?」
「こ、これはこの青い鳥がやっているのか!?」
「神だ、神が使わしてくれた幸運の青い鳥だ!」
(まったく、まるの奴め。こんなにいい気分を独り占めしていたとは……けしからん!)
僕は久しぶりに人々と触れ合うことができて、充実した気分を味わうのであった。
次の更新予定
2026年8月16日 09:03 毎週 日曜日 09:03
蟻から始まる現代ライフ~異世界から侵略された地球を守っているのは人間だけではありません~ ももぱぱ @momo-papa
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。蟻から始まる現代ライフ~異世界から侵略された地球を守っているのは人間だけではありません~の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます