異世界で邪神を倒した英雄ミストが、女神の妨害によってまさかの「蟻(アリ)」の姿で現代の地球へと転移してしまう――。そんな一風変わった導入から始まる本作ですが、読み進めるうちにその独特の世界観とキャラクターの魅力にどっぷりと引き込まれました。本作の最大の魅力は、タイトルにもある通り「地球を守っているのは人間だけではない」という熱いコンセプトにあります。魔物の侵略によって日本の都市や建物が破壊され、ダンジョンが出現するという非常にハードで殺伐とした現代ファンタジーの世界観なのですが、そこに現れる主人公(元日本人・天道ひかる)が「小さな蟻の姿」であるというギャップが非常に効いています。元英雄としての戦闘経験や魔法の知識を活かしつつ、最初はあまりにも非力な蟻の体からスタートし、スキルを獲得して「初進化」を遂げていくプロセスには、人外成り上がりモノとしての確かなワクワク感があります。そして、そんな殺伐とした世界の中で、主人公と行動を共にする「まる」や「ルナ」といった仲間たちの存在が、読者に最高の「癒やし」を届けてくれます。作中では私欲のために彼らを拘束しようとするような胸糞の悪い悪党が(今のところ)おらず、純粋に地球を守るために戦う彼らの絆を応援したくなります。周囲のキャラクターたちとの掛け合いもコミカルで、シリアスな戦況でありながらも、どこかアットホームでサクサクと読める絶妙な空気感が構築されています。かつての相棒・オーロラとの繋がりを予感させる再会の謎や、ダンジョン攻略の手応えなど、ストーリーの引きも非常に上手いです。「人外転生モノが好き」「現代ダンジョン&地球侵略モノが好き」、そして何より「戦う可愛い動物や昆虫たちに癒やされたい!」という方に自信を持って星3つでおすすめしたい一作です。今後のさらなる進化と、地球防衛の行く末が楽しみでなりません!