第6話 戦場で弱いやつは死ぬだけだ
「こ、これ…」
私達が帰ってくると、まず目にしたのは壁やら天井やらに穴が空き、そして配線千切れた配線がむき出しになっている基地だった。
「こ、これは…いったい何が…」
珍しく動揺するエリナさんに、釣られて私も心臓が大きく鼓動し始める。
「いかにもここが戦場だったようじゃのう…」
目を細めて配線を手で触りながらリョウコさんが呟いた。
「て、てかさ…な、なんでこんな荒れてるのにリュウからは1つも連絡が来なかったのさ!?リュ、リュウに何かあったとかじゃないよね!?」
「わ、わかんないけど…あ!こ、ここ見て!!!」
するとランさんが壁にある一箇所の傷を指さした。
3本平行に並んだその傷からは、配線がむき出しになっている。
「こ、これ…完全に3本爪の生き物が引っ掻いた跡じょない…?」
「と、ということは…もしかして大きな生物…もしかしたら神が基地に襲撃したかもってこと!?ほ、本当にリュウは大丈夫なの!?」
と、段々と不安になってきたのかコノハちゃんが遂に泣き始める。
「だ、大丈夫だよ〜リュウくんはつ、強いからぁ〜」
「でも、もしかしたら…っ!!!」
エリナさんの拳が強く握られる。
「まだ確証は無い…この先にあるあのリビングの扉を開けるんじゃ」
と、リョウコさんは眼の前のリビングへと続く扉を指さした。
「そ、そうですわね…まずは開けてみないことには…」
と、次の瞬間、唐突にリビングの扉のドアノブが握られて、そして開いた。
「あれ?皆何してるの?」
そして、そこにはいつものリュウさんの姿があった。
ニッコリと笑って、私たちの無事を祈っているあの人の優しい笑顔がそこにはあった。
「リュウ…リュウゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!」
と、最初にリュウさんに飛びついたのはコノハちゃんだった。
「心配しだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「え!?ど、どうしたの!?だ、大丈夫!?よしよし〜」
と、リュウさんは、コノハちゃんの頭を優しく撫でると、コノハちゃんが、「じんばいしだぁぁぁぁ!!!!」と、泣き叫ぶ。
「ふぅ…どうやら杞憂だったようじゃな。」
と、リョウコさんは呟くと、次にランさんがリュウさんに一歩ずつ近づいてリュウさんを睨んだ。
「え…?な、何…?」
と、リュウさんは少し怖じけながらもランさんに質問するが、ランさんは、ぷく〜と頬を膨らませ涙目で、リュウさんを抱きしめた。
「良かった…!!!!本当に良かったよ…!!!」
そして、エリナさんが少し、いつもとは違う真剣な表情になると、リュウさんに鋭い目を向けた。
「さて、リュウさん。何故、廊下がこのようなことになっているのか、説明してもらいましょうか。」
七人掛けのテーブル。
メタルガールズの全員が座り、そしてリュウさんに向かって全員が視線を向けている。
「え、えーっと…これってそんなに重要かなぁ…?」
「「「重要です!!!!!!」」」
前のめりになって、リュウさんを睨むと、リュウさんは、「うぅ…」と小声を漏らした。
そしてリュウさんは、拳を座った足の上に乗せ、視線を下げて反省のポーズのような姿勢を取ると、口を開いた。
「えっとね…みんながさっきまで任務に行ってる途中にね、じ、実は小型の神が唐突に基地の中に現れたんだよね…」
小型だと…だいたいそれは3〜5m程の大きさの神。
たしかにそれならメタルガールズの本部に出現することができる。
「そ、それで近くにこれがちょうどあったから僕はこれを使って神を撃退したの!」
と、リュウさんは手元から迎撃用拳銃を取り出した。
銃身の角張っている拳銃をくるりと一回転させると、腰のスラスターに収める。
「これって、たしか、2〜3m位の敵用…ですわよね…?襲撃された神はそんなもんなのだったのですね?」
リュウさんはコクリと頷いて、「そんなものだったよ」と、返した。
「死体はどうしたの…?」
と、今度は先程まで黙ったままだったコノハちゃんが問いかけた。
「死体は燃やしたよ。全部綺麗に燃やして残ったカスも、ビニールの中に入れて生ゴミとして捨てたかな?」
ニッコリと笑顔を浮かべながらリュウさんははっきりと言った。
そのハッキリと言うのが余計怪しいのか、私以外にも、リュウさんを睨見つける人は多数いるよう…
「まぁ、他にはなにかありますか…?」
リュウさんが気まずそうに言うと、みんな、一度座り直す。
「いいえ…もう無いですわ…」
「じゃ、じゃあ!廊下の修理行ってきまーす!!!!」
そう言うと、リュウさんは尻尾を巻いてリビングから飛び出して行った。
「なんかさ…今日のリュウ…めちゃくちゃ焦ってなかった?絶対他にも隠し事してるよね!!」
ランさんが強く言うと、私たち全員は首を振る。
「じゃあ、どうやって吐かせるか…」
「自白剤かのぉ…」
リョウコさんが首を傾けて考えた。
「そ、そんなのあるの!?」
「ランが作れば良いのではなかろうか?」
「え!?」
ランさんは驚いたように目を大きく開く。
でも、まぁ、普通はそうだろうけど…
「じ、自白剤なんて作り方わかんないよ!?だ、だって薬とかはあんまり作ったことないし…」
ランさんは、手を組んでモジモジとさせている。
余程自信が無いみたいだ。
「でも、あれは完成したんじゃろ?」
「あ、あれって…?」
ランさんは少し覚えがないように振る舞うが、少し経って、「あ!」と何か思い出したように声を上げた。
「そういえば、ヒィコに頼まれてたやつが出来たんだった!!!」
「え?ぼ、僕…?」
「そうだよ!!!結構前に頼まれてた奴だから忘れちゃったのかな…?えっとね…これなんだけど…」
ランさんはそう言うと、冷蔵庫の中から試験官を取り出した。
「え…あ!!!や、やめて!!!!それだけは公開処刑しないで!!!!!」
ピンク色の物と黄色の物。
そして赤色の物。
「とりあえず説明するけど、このピンク色の液体が飲んだら発情する薬ね!」
「あれ…コノハちゃん…?」
私はコノハちゃんの方を見ると、桃のように赤く頬を染まらせる。
「や、やめてよ…」
「それで、この黄色の薬が胸を大きくする薬ね!」
私はコノハちゃんの胸を見る。
平べったい。
対して同じくらいの身長のリョウコさんの胸を見る。
大っきい。
またもう一度コノハちゃん。
うん…小さい…
「や、やめてって!!!てか!!!みんな私の見てからリョウコさんの見るな!!!!」
「最後!!!赤色のこれが飲んだらミルクを出_「やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
すると、あまりの恥ずかしさ故なのか、ランさんに飛びつくコノハちゃん。
「や、やめてって言ってるじゃん!!!!べ、別に男とどんなことしても僕の勝手でしょ!!!!」
「でも、どうせリュウくんに赤ちゃんプレイかますつもりなんでしょ?」
「べ、別にリュウのためじゃないよ!!!!」
「え?じゃあリュウには妾がその赤色の薬を使ってもよいか?他の男に使うなら、もう1本くらい作っても良いじゃろう?」
「では、わたくしはピンク色の薬をくださらない?。一度リュウさんに激しく攻められる行為を体験してみたいですわ。」
「じゃあ〜あたいは黄色にして限界まで大っきくしてみようかな〜」
すると、みんなの様子を見たコノハちゃんは少し顔を歪め、そして「も、もう!!!!」と叫んだ。
「み、皆が薬を使うなんて!!!!それじゃあリュウの体力が持たいないよ!!!!これは没収!!!!別に僕は使わないけどね!?」
そう言うと、ランさんから薬を全て奪い取り、大事そうに抱えた。
茶番が終わり、真面目なフェーズになる。
「それじゃあ、皆で警戒しながら見守る…って感じでよろしくて?」
エリナさんが再確認すると、みんなは頷きエリナさんも、ランさんに視線を送る。
「う、ウチも頑張ってみる…!!!!」
ランさんは気合を引き締めように、フン!と息を出すと、そこで私達はリュウさんを呼び出そうと、リビングへと出る。
リビングの外の廊下には座りながら壁の中に手を突っ込んで、作業するリュウさんの姿。
「リュウさん…?何をしてるんですか?」
私はリュウさんに近付きながら聞くと、リュウさんはこちらに気づき「まぁ、修理だね!」と笑顔で言った。
「そういえばこの基地って…誰が作ったんですか…?それもなんで学校の敷地に…?」
リュウさんは、一度作業を止めると私に脚立の上に座ったまま、こちらへと体を向ける。
「学校ってさ、実は神からの耐性があってね。もし、どこに基地を設置すれば良いのか考えた時に、一番いい所は学校ってなったんだ。それと、この基地を作ったのは僕とリンネのお姉ちゃんだよ。」
「わ、私のお姉ちゃん!?」
リュウさんは頷くと、壁に手を添える。
そして、その壁を撫でた。
「リンネのお姉ちゃんは…えっと…レイナはさ、人を守りたいって言ってこの部活を選んだんだ。それでこの部活を設立した。僕も、協力しようと思って、二人でこんな大きな基地を作ったんだ。それで、レイナもここを卒業して、それでもメタルガールズとして戦った。僕は嬉しいよ。レイナが…自分のやりたいことが出来て…それに、レイナの救った命が、今こうやって新たに人を救っているからね。」
言うと、リュウさんは私の方を見る。
「お、お姉ちゃんは…」
「分かっているよ。神との戦いで命を落とした。僕も、分かっているよ…だから、この基地は、僕とレイナで作って、レイナが残した形見なわけでもあるし、絶対に守っていきたいと思っている。」
私は、リュウさんとお姉ちゃんの意外な関係に少し、驚き、目を壁の中へと向けるとそこには、
そして、その隣には、卜部隆一と書かれている。
「こ、これは…?」
私は、その2つの名前を指差す。
「あー…えっと…これは、建物とかを作る時に、だれにも見えない所に名前を書こう!ってなって、書いたやつだね。」
「えっと…この…
「ええ!?あ、えっとぉ…それは僕の友達の名前だね!!今はもう卒業したけど…」
「そう…なんですね…」
私達を出撃する場所が私のお姉ちゃんの…形見…
私は心の中で呟くと、柱に手を触れた。
「ピピピピピピピ!!!!!!!!」
僕が、リンネの隣で、さっそくその廊下の壁の修復をしようとしたその時だった。
けたたましく音が響いたのは
「こ、これって…」
この音は…
「2m級…だね。」
僕が言うと、すぐさまリンネは、更衣室へと飛び込んだ。
僕は一度全ての工具を床に置き、リビングへと駆け込む。
「皆!!!」
僕が言いながら、扉を開けると、皆の視線がこちらへと向く。
「あ、リュウ」
「どうする〜?これぇ、2m級だけど〜」
たしかに、一応、2m級の警報。
2m級だったら僕でも倒せる。
そう、それほど強くはないはずなんだけど…
「ごめん皆嫌な予感がするんだ…」
そう…前の神…サトゥルヌスもあれは5mほどの神だった。
でも、あれは人間に従っていた神だった。
人間と神の関係…
もしかして、テロ…?
「まあ、そうじゃの…たしかに、リンネだけじゃしんぱいじゃのう…」
「え?知ってたの?」
「まあ、リンネちゃんが今ここに居ないしね。」
「まっ!僕達に任せておいて!」
コノハが言うと、みんなが次々にリビングから出ていった。
私は、プラグスーツを装着し、胸元に緑色のマスターコアを装着。
一瞬でそのエネルギーが、体を包み上げる。
私は、更衣室から出ると、ちょうどその時、他のみんなが更衣室へと駆け込む。
「ぜ、全員出撃ですか!?」
「はい。リュウさんの意向ですわ。」
「なんか、嫌な予感がするんだって…」
「リュウくんにしては珍しいよね〜」
「しかし、リュウはオペレーターじゃ。リュウに従い、神を倒すのが妾らの仕事じゃ。」
まっすぐとした瞳をして、更衣室に飛び込むみんな。
私は、更衣室の中に「先に言ってます!」と、言って、地下2階へと向かう。
2階で格納庫に向かい、第6プラントにある私のスーツを装着。
装甲が胸、腰部、腕と装着されていき、続いて装備が全て接続される。
「神経コネクト…正常…視界良好…ハッチ展開!!!」
私は言うと、『認証。ハッチを展開します。』と生成音声が部屋に鳴る。
すると、私の格納庫ごと3階へと下がる。
そして、第二格納庫へと下がり、私のスーツの両足が、格納庫のレールに繋がれる。
ガチン!!!と音がなると、段々と、青空の風景が第二格納庫の天井に広がる。
ゴーグルに「出撃準備中」の赤い文字。
その青空の広がる天井の下まで来ると、背中からエネルギーが格納庫に放たれ始めた。
緑色に輝くエネルギー。
『出撃可能。』
「ふぅ…ナンバー06!梓沢凛音!!!!出撃します!!!!!」
私は言うと、足のロックが外され、放出されていたエネルギーによって、飛び立つ。
意識が先程居た所に置いていかれそうなくらいの重圧を感じながらも、空へと飛び立ち、楕円を描いて空を飛ぶ。
「リュウさん!!!座標は!?」
私は、撃発音制御装置の通信機能をONにして、呼びかける。
しかし、返事は来なかった。
「あれ…もしかして、寝てたり…ま、まさかまた神に____」
ドォォォォォン!!!!!!!!
そして、私が、振り向くと、そこには、大きく立ち上る煙。
大きな爆発があった後のようで、回りにあるビルが倒れ始める。
「あれって…もしかして…」
私は、緊急で、エネルギーブーストの出力を上げて、その爆発現場へと高速で向かう。
黒い煙を切り裂いて、私は、地上へと着陸する。
地面のコンクリートを裂きながら、着陸する。
そして、目の前にいたのは、黒く、そして、細い生物だった。
目のような物が、頭の至る所に付いており、そして、角のような物が2本。
骨のように細い体と赤く輝くマスターコアのような宝石が胸に埋め込まれている。
一体何の神なのかはわからなかった。でも、これだけはわかった。
「強い…!!!!!!」
絶対的な威圧感がその何もなさそうな生物にはあった。
指のような物があらゆる方向にむかって6本生えている手のような部位を、その生物は私へと向けた。
攻撃してくる!!!!!
私の脳内は危険信号を放ち、今すぐにでも、飛び上がるべきな筈だった。
しかしながらも、私は…
「あれ…足が動かない…」
そして、目の前の神は手を光らせる。
段々とエネルギーのような物が溜まっているのが分かる。
「え、エネルギーシールド展開!!!!!」
そして、私は、腰部から、展開式のエネルギーシールドを展開した途端。
私に向かって溜まったエネルギーが一気に放たれる。
音もなく、光が放たれると、目の前が、暗いのか明るいのか、分からなくなる。
耳の奥の鼓膜が揺れ、脳が揺れる。
喉が焼けるような熱い空気でシールド無いが満たされる。
私は、その轟音が収まると、シールドを収める。
「うっ…」
そして、何故か気持ち悪くなり、わたしは地面に膝を付け、胃の中をぶちまける。
唐突に気持ち悪くなり、吐き気が収まらない。
何…これ…
「人間は愚か…愚行を行う。」
何の前触れもなく、唐突に聞こえた声。
そして、ふふっと何処かから笑い声がした。
「あーあ…人間って面白いねー!!!」
そして、私が上を見上げたとき、メイド服のように、黒と白の模様で彩られ、背中からエネルギーの翼を広げる少女の姿。
そして、少女の片手には、輪っかのような物を持っており、その輪っかからは緑色の光るエネルギーが繋がっており、あの、黒い神の背中に繋がっている。
「ほら、あの子やっちゃって。」
少女は、黒い神に命令すると、黒い神は、手を私に向ける。
また…来る!!!!!!!
私は、危険信号を察知。
すぐさま、私は、背中からビームライフルを取り出して、神の弱点であろう、そのマスターコアに銃口を向ける。
「出力最大!!!!」
私は引き金を引き、1つの線を神に向かって撃ち込む。
バアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!
その1本の閃光は、神に突き刺さる__と思いきや、何故か、途中で何かに当たったように弾かれ、爆発する。
「じつはね〜この子にはバリアが張ってあって、そう簡単には殺せないんだ〜」
少女が言うと、次の瞬間、先程と同じ出力のビームが放たれる。
私はバリアを展開。
爆発を繰り返し、周囲が消滅していく。
衝撃、振動、轟音、全てに耐えるが、直ぐにシールドに入ったヒビが広がり、シールドが敗れる。
私は、前に右腕のシールドを抱えるが、それでも衝撃には耐えられず、300mほどふっとばされ、そして、ビルに叩き付けられた。
ビルに突き刺さり、瓦礫が落ちてくる。
「がっ…ごほっ…!!!!!」
瓦礫に飛び散る血液。
すこし粘り気を含んでいる吐血して出たその血。
ああ…眠い…
もう…死んじゃうのかな…
やっぱりお姉ちゃんみたいに…
「ま、まだ…お姉ちゃんを私は覚えてないと…」
私は、折れ曲がった鉄骨に捕まって体を起き上がらせる。
「絶対に…死なない…この先にいる人達を守らないと…」
震える足。
傷だらけの装甲。
『腰部右側、中型エネルギー収束ブースター損傷。右肩中型エネルギー収束ブースター損傷。飛行不可。並びに、左腕側、シールドブレード損傷。使用不可。』
無機質な生成音声の音。
私は、奥歯を噛み締める。
「うわ〜まだ生き残ってたんだ。ほら、さっさとやっちゃって。」
浮いたままの少女は、黒い神を瓦礫の中に踏み込ませる。
「ミサイル…発射!!!!」
そして私は今ある全てのミサイルを発射する。
あの少女が何者なのかわからない…けど!!!今は絶対に倒す!!!!!!
ミサイルの爆発で放出される熱が私の体を包む。
爆発した光で目を細める。
それでも、ミサイルを撃ち続ける。
『ミサイル残り0発』
「ま、こんなで死ぬわけ無いよね〜」
と、そこには、何事も無かったかの立つ神と少女の姿。
でも、分かっていた事だ。
だって、私のレーザー砲の最大出力を耐えたんだから…
「無駄撃ちって所かな〜じゃ、さっさと死んでもらおっと!」
私は、近くにあったコンクリートに倒れ込む。
もう、私には立てる力すら残っていないから。
「あれれ?もしかしてもう死んじゃう?可愛そ〜!!!!仕方ないなぁ…殺しちゃうのと同時に、火葬もしちゃおっか?」
少女はニヤリと笑うと、神に繋がった首輪を揺らす。
「そ、それは…できません…」
「え?なんで?今貴方の命は私の手のひらの上なんだけど?」
「私が…意味なく…ミサイルを撃ったと思ったんですか…?」
「は?どういう____」
バアアアアン!!!!!!!!!
刹那、刃が輝き、黒い神が動いた。
それは、攻撃ではなく防御。
顔の前に腕を移動させてその刃を防いだ。
「リンネ。悪かったのぉ…遅くなって…」
ゆったりとした母性あふれる声色。
私はすこし涙が出そうだったが、我慢する。
『危なかったね〜本当に、リンネは雑魚だなぁ〜』
『えぇ〜?コノハちゃん何もしてなくない〜?』
『ひ、酷い怪我!!!だ、大丈夫!?リンネちゃん!!!』
『まさか、小型の上級クラスの神だったとは…驚きですわ…』
撃発音制御装置から聞こえてくるみんなの声。
どうやら、時間稼ぎが成功したようだ。
『メタルガールズ第1部隊、到着しました!!!!!ですわ』
エリナさんが言うと、瓦礫の山の中に、外からのメタルガールズの空を滑空する音が聞こえる。
「さてと。妾も、仲間がこうじゃほおっておけられんのう…」
リョウコさんは、自分の刀型エネルギー収束ブレードを輝かせて、背中のエネルギー収束ウィングを光らせた。
「リョウコ。戦闘開始するのじゃ。」
と、言った瞬間、目にも止まらぬ速さで、神をビルの外へと蹴り出した。
私は安心して瞼を下ろす。
「このビルの中じゃ危険のう…」
蹴り出された神は、瓦礫の上を滑り、そして、20m程滑ったあと、止まる。
色々な方向に向いていた目がリョウコへと一点に向く。
そして、リョウコへとバラバラの方向に指が向いた手を向けた。
「そうはさせん」
と、次の瞬間、その神の懐に一瞬で潜り、刀の斬撃を喰らわせるリョウコ。
もろに斬撃を喰らった神の腹からは、紫色の液体がドロりと溢れ出ると、直ぐに、傷口が修復された。
「あいつ!!!!!何してるのよ!?そんな奴すぐに吹っ飛ばせばいいじゃない!!!!!!」
少女はキレ気味に言う。
「君は能天気だね。他の人のことを考えるなんて。」
すると、少女に向かって放たれる2つのエネルギーの塊。
「僕達は6人。たいして君は2人。さてと、どっちが勝つかな〜」
「あなた、私に本当に勝てると思ってるわけ?」
少女は言うと、腰から拳銃のようなものと、手持ち式のエネルギー収束ソードを取り出した。
「もし、僕が君を倒したら、あの怪物も一緒に倒したりできるんじゃないの?」
コノハは言うと、「ふっ」と少女は笑った。
「貴方、まだ倒すとかいう言葉使ってるのね。私だったら…殺すわよ。」
言うと、目の前から一瞬で姿を消す少女。
すぐさま、コノハの所に現れる少女。
「速っ!?」
「終わ____」
ド大オオオオン!!!!!!!!
そして、少女が居た所に撃ち込まれる巨大な弾丸。
後ろの方でビルにぶつかる。
撃った弾丸は非爆発砲。ただの鉄の塊だ。
「どうやら敵の方は人間も神も強力なようですわね。」
「そうだよ。私は既にレベル3に到達しているからね。」
そして、巨大なエリナのスーツの後ろに回っていた少女。
「っ!!!!」
エリナは言葉にならない息を漏らし、後ろへとフルスイングで巨大な腕アーマーを振る。
が、そこには少女の姿は無い。
そして、アーマーの上に立つ少女は、エリナに拳銃を向ける。
拳銃には赤色のマスターコアが取り付けられている。
「レベル3…ど、どういうことかしら?」
エリナは動きを止めると、呟くように言った。
「レベルも知らないんだ…そっか…まだ聞いてないんだね。」
少女は笑いを漏らすと、拳銃を上へと向ける。
「レベルってのは、メタルガールズとか、アーマーを使う時の強さの基準だよ。レベル1が装備の一部を使える状態。レベル2が装備の全てを使える状態。レベル3がマスターコアの一部を使える状態。レベル4がマスターコアの全てを使える状態。レベル5はDEADMODEっていうアーマーに隠され能力を使える状態。知らなかった?あ、貴方達はレベル2ね。」
「し、知りませんでしたわ。あと、少し邪魔ですわ!!!!」
すると、エリナのアーマーが一気に爆発し、大きなアーマーが飛び散る。
「っ!!!!」
煙が撒き散らされ、視界が一気に悪くなる。
「見えな…」
「そこですわ!!!!」
そして、赤い光が少女へと向い、少女はギリギリで体を横に曲げて避け、そして拳銃を撃ち込む。
5mm口径の手持ち式のエネルギー砲。
エリナは、片手の大きなエネルギーの剣を振りかぶり、エネルギー砲を消滅。
煙を振り払って現れたのは、細身のエリナに胸や腰部、そして肩や、足に装甲の取り付けられたアーマー姿。
片手に大きな赤色のエネルギーの剣を持っている。
足には刃が生えており、小型エネルギー収束ブースターが足に取り付けられ、エネルギー収束ウィングが背中に広がる。
「その姿は…」
「わたくしのスーツを取り外してスマートな形になった姿ですわ。本来はこの姿が普通ですが、最近ではあの強化アーマーをつけてるのですわ。」
「へー…そんなのが…」
と、次の瞬間、少女に向かって、エネルギー砲が空から放たれ、そして少女の周囲が爆発する。
「エリナ!!!!!」
と、空にはコノハの姿。
「貴方邪魔。」
そして、浮いたままのコノハに拳銃砲を撃つ。
「くっ!!!!」
コノハは、体を捻って回避すると、また両肩のエネルギー砲を少女に撃つ。
少女は難なく回避すると、すぐに、浮いてままのコノハの後ろへと回り、エネルギー砲を放つ。
「そろそろ時間が押してきたし、殺すね。」
「速っ___」
放ったエネルギー砲は、コノハの首を貫く。
貫かれた首からは血が噴き出し、そしてパワードスーツが落ちる。
「コノハさん!!!!!」
「何見てんのさ。」
少女は言うと、エリナは自分の腹部からエネルギーの剣が貫かれていることに気づく。
「がはっ……!!!!!!」
少女は、腹部からエネルギー収束ブレードを引き抜く。
「まだ…まだまだ足りないよね…」
そして、今度は、エリナの心臓に明確にエネルギー収束ブレードを突き刺した。
装甲を貫いて、心臓に突き刺さると、たちまち血液が溢れかえって爆発する。
口の中から血が溢れ、地面にばらまかれる。
「ありゃりゃーこれは助からなそー…」
少女は、ニヤリと笑ってその場で嫌味を孕んで笑う。
エリナはその場に倒れ、血の水溜まりを作り始める。
「もう死んじゃったかな?ほんと笑える〜あ、そうだ、首を切っておかないと…マスターが言ってたしね!メタルガールズの連中は首を切らないと死なないって!」
少女は、エリナの持っていた大きなブレードを持ち上げる。
赤く染まったブレードは雷のようにバチバチと音を鳴らせる。
「じゃ、さよなら____」
と、次の瞬間、少女の動きはピタリと止まった。
そして、まるで力が全て抜けたかのように、少女は膝を床に突く。
ブレードが床に落ち、金属音を鳴らした。
そして、その少女の美しく整えられた頭は、地面へと落ちる。
切り口である首からは、大量の血が溢れ出た。
コツン。コツン。
黒い鉄で形成された翼が広がる。
二人の少女の血であふれたその場所に白く輝く長髪の少女。
目元は黒いヘルメットのようなゴーグルで見えない。
片手には自身の身長よりも大きな薙刀を握っている。
空は明るいが、満月がうっすらと空に写っている。
奴が来た。
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