概要
名臣との出会い
西暦354年――東晋の桓温は、北伐軍を率いて、前秦の長安へと迫った。
桓温は前秦の軍を撃破し、長安のほど近く、灞上(はじょう)に陣を張った。
前秦の軍を撃破したためか、長安周辺の住民は、桓温を歓待した。
だが桓温には不満があった。
「なぜ、住民はこの桓温を歓待してくれるのに、豪族たちは一顧だにしないのか」
その時、灞上の陣へ、ひとりの隠者が訪れる……。
桓温は前秦の軍を撃破し、長安のほど近く、灞上(はじょう)に陣を張った。
前秦の軍を撃破したためか、長安周辺の住民は、桓温を歓待した。
だが桓温には不満があった。
「なぜ、住民はこの桓温を歓待してくれるのに、豪族たちは一顧だにしないのか」
その時、灞上の陣へ、ひとりの隠者が訪れる……。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!帰りなんいざ
晋室まさに蕪れなんとす(いいわけ)
……と、ついつい桓温くんの心情をおもんぱかってしまいたくなるくらいに端的で、雰囲気のある短編でした。桓温のこのいろんな弱腰ぶりは東晋貴族の限界、みたいなところも感じざるにはおれないのですが、息子が考えなしにフルスイングするクチなので、そのぶん色々マイナス補正を受けてもいるのだろうなあ、と思わずにおれません。
五胡十六国時代に起きた三国鼎立のまごうことなき立役者(他の二国は苻堅+王猛の前秦、東にて強盛を誇っていた鮮卑慕容部の前燕)であるにもかかわらず、どうにも色々なところで人間くささを感じさせる桓温の「らしさ」を味わえる佳篇でした。 - ★★★ Excellent!!!「帰る」ことがもたらすもの
第4週を迎えたカクヨム公式企画「お題で執筆!! 短編創作フェス」。今回のお題は「帰る」と、かなりストライクゾーンは広め。前回のお題「つま先」があまりにもニッチ過ぎたことに運営も気付いたのか、今回は逆に広すぎるお題を出してきました。
で、その広いお題に挑んだ本作。東晋の将・桓温は、破竹の勢いで前秦を攻略し、ついに長安を望む「灞上(はじょう)」にまで陣を進める。あと一歩で前秦を降すことができる、しかし周辺の諸勢力は一向になびいてこない。不満げな桓温の前に表れた隠者が、東晋の将に伝えた言葉は……。
「帰る」ということは、「元いた場所に戻ること」。それは安息や安心をもたらす行為であると同時に…続きを読む