骨――①ほね。 ア:人や動物のほね イ:ほねぐみ。からだつき ウ:からだ エ:死体 ②ひとがら。品格。意気。(以上、『角川新字源』より)
カクヨム公式企画「お題で執筆!! 短編創作フェス」、第6週目のお題は「骨」。「薔薇色」の次とは思えないほど不吉なお題ですが、本作の作者・四谷氏が予告されたのは石田三成の死と柳生宗矩を扱った短編。
なるほど確かに戦国時代最後の決戦・関ケ原戦後の話なら、「骨」も自然に登場しようというもの。何せこの時代には、朝倉・浅井の頭蓋骨で盃を作った信長さんとか、「人間武骨」とかやべー名前の槍を振り回してた森長可とか、「骨」をテーマにした短編どころか長編の題材がひしめき合っています。
そんな時代を背景とした本作では、冒頭引用した「骨」の意味①②ともに描かれていますが、メインは②。確かに、殺伐した弱肉強食の時代だからこそ、人柄や品格、そして意気というものが重んじられたのでしょう。
本作でも、事の起こりは「自分に歯向かった三成を賞賛しようとする家康」「その家康に最期まで抗しようとする三成」という、「骨のある奴ら」の行動でした。そこに登場するのもまた、罪人の「骨」を弔おうとする僧、それを力ずくで阻止せんとする剣士という「気骨の士」たち。
剣士、すなわち若き日の柳生宗矩と、一歩も引かずに三成を弔おうとする同年代の僧。僧の正体はネタバレになるので伏せますが、歴史好きなら知っている彼ら二人の「美しい友情の始まり」は、なるほどこんな感じなんだろうなと思わせる歴史短編の傑作です。
「骨」がいろいろな意味で身近だった戦国期にあって、何故あえてこの二人をテーマに据えたのか。それは是非本作を読んで、お確かめください!