チラリズムと美しき誤解の勝利

実は本作品を拝読するのは二度目である。当方の作品に評価をいただいたのでうかがったのだが、初めて拝読した際には、本作品の魅力に気づくことができなかった。つまり本作品は読むほどに面白みを増す構造なのである。
核心はチラリズムである。量子と将棋が登場するが、詳しい知識がなくとも楽しめる。文豪の作品を読んでいるかのような端正な文章は長いがリズムが心地よく読みやすい。
だまされたと思ってぜひ二度読んでいただきたい。

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