なんだろう、この幸福感……

 ごちそうさまでした! と読後に手を合わせたくなりました。

 いやいや、読んでハッピーな気分になる作品です。
 まずシチュエーション。主人公の『俺』は、片思いしている女の子から「好きな人に食べてもらうため、お弁当の味見をしてほしい」と頼まれます。

 葛藤。ジェラシー。それでも食べてみたら、なんというメシウマ!
 
 このシチュエーション。ラブコメとしてもとっても上質。毎日ヒロインの作ってきてくれたお弁当を食べる。『負けヒロインが多すぎる』とか『ペルソナ3(風香イベント)』とか、何作品かの名前が浮かびもします。それでちょっとずつ仲良くなる。憧れますね。

 でも、その後の展開がまた秀逸。この彼女との『儀式』を続け、『彼』は一体どうなるか。
 ラストのオチで「アハハ」と笑わずにいられない、幸福感いっぱいの作品でした。