魂の牢獄に囚われた者たち漆黒の怨嗟の共振
- ★★★ Excellent!!!
大きな河川を見下ろす古いマンション。
新築ではないにせよ、充分な広さがあり
又、付近には緑が多い。河の向こうには
都会の高層ビルが望める立地は、寧ろ
落ち着いた生活を送るに好条件と言える。
主人公の少女は、看護師の母と暮らす。
他の住人達も、其々に日々を送る。
少女と同じ高校に通う娘一家、かつて
同性の恋人と暮らしていた元ホストの男、
引き篭もる息子を抱えた両親、校長まで
務め上げ余生を送る男、夜の蝶の地位を
築くホステス、中国式マッサージを営む
異国の男、不倫の果て別れを告げられた女、そして信仰宗教の教祖…。
日常に於ける小さな 違和感 が。
次第に異質な 顔 を露わにして行く。
恰も、今まで忘れていた過去への贖罪と
心の底に熾火となって燻り続けていた
鬱屈、忿懣、嗜虐、そして暗い欲望。
土地の血塗られた怨嗟の声が、悍しい
歴史と共に蘇り、そこに住まう人々に
容赦なく襲い掛かる。
深い霧によって閉ざされた牢獄。
それは程度の差こそあれ、きっと誰の心の
中にもあるのだろう。この霧に分断された
怨嗟の世界に救いなど存在しない。
何故ならば、其処は。
怨霊達の虜となった魂の牢獄から抜け出す
事は出来るのか。ユタの血をひく占い師、
そして寺の住職を祖父に持つ男。細い縁を
繋ぎつつ、それでも少女達は戦う。
生きる為に。