第55話「初期研修医の英語力」のレビュー レクチャーは英語、その中身は

こんにちは。

第55話「初期研修医の英語力」を拝読させていただきました。

この話では、伝える力の本質はどこにあるのか、という点について考えさせられました。

イギリス人講師による英語のレクチャー。英語で質疑応答する場面に圧倒されつつも、一読者として改めて考えさせられるのは「語学力と医学知識、どちらが本質か」という点です。

レクチャーの目的は、AIと医療の接点というきわめて専門的な内容だったはずです。しかし本作では、参加者の英語力の描写に筆者の関心が集中しています。その結果、研修医の英語力への驚きが強調されすぎていて、肝心の「何を学んだのか」という点が霞んでしまっているようにも感じられます。

もちろん、小説として英語力をテーマにしている以上、焦点がそこにあるのは理解できます。しかしそれでも、語学はあくまで手段であり、医療において求められるのは中身だ、という視点も、どこかに残しておきたい……そんなバランス感覚が求められる時代に来ているのではないでしょうか。

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