実はホラー。「大抵発狂」←やや無理がある

楽しく拝読させていただきました。有難うございます。
軽い語りで始まり、終盤でホラーに反転。神様の予告をラストで回収する構造。
大変明確です。

以下、気付いた点です。

(1)事故の気付き ⇔ 発狂

これをバランスさせるための
"何を試みて、何が阻んだのか" の描写が薄いように感じました。

つまり、読者側は、最後に描かれる「発狂」から逆算して、
「発狂するくらいなら、降りる前に、もっとできたことがあるんじゃないか?」と想像してしまいます。
何も考えられない、ではなく、少しは考えた。非常停止ボタンを押すかどうか迷った、など。
なぜ発狂したのか、の説得力がやや削がれています。


(2)現実の列車事故は稀

この手の事故は大変に稀なので、神様からの「"大抵" 発狂する」は、
統計的に言えば過剰すぎる一般化となっています。

ですので、例えば、「脅かしだろう笑ったが、“予言”だと知るのはずっと後だった」
のように、さらに一段階落とすと、スッキリするような気がします。

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