一歩間違っていたら、あなたの人生もこうなっていたかもしれない

割とぞわっとしたものを感じながら本作を読みました。
今でこそ自分は職にありつけておりますが、ブラック企業でパワハラを受けた後に失業、約一年間無職、という思い出すと憂鬱になるような過去があり、境遇を重ねてしまう部分があるのです。
今の仕事もさほど給与が高いわけでもないので、経済的に負担が大きすぎる「結婚」の二文字も不可能だな、とあきらめていますし、世間一般における「普通」というものと比べると、大分下振れた生活を送っている自任はあります。
今や「普通」と呼べる生活は「幸福」であり、中々成し得難い理想となっています。
そして、一歩間違えば誰もがその「普通」を簡単に失い、底辺での生活を余儀なくされるという、砂上の楼閣のような社会になっています。
毎日を幸せに何も不安なく幸せに生活するのって、いつからこんなに難しい事になったのでしょうか。
この作品は、そんな直視しづらい「底辺の現実」を見せてくれます。
目を逸らさずにご覧ください。

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