人って、何かの歯車が少しズレただけで、妙な方向へと転がっていっちゃうんですよね。
撮り鉄もそうです。
電車に魅力を感じる、そこまではまだ理解はできるのですが、その写真を撮るために何をしても良いと考えたり、良い写真が撮れることが人生における絶対のステータスだと勘違いしたり、電車の写真の為ならお金も時間も全て捧げても構わないと思うようになったりと、おおよそまともな人間性とは言えない状態にまで人格破綻してしまっては、ちょっと弁護のしようがありません。
そんな異常者が「どうしてここまで落ちぶれてしまったのか」という原因がちゃんと描写されていて、現実の撮り鉄の異常性の根深さを浮き彫りにしているのが、また実にリアルで風刺が効いているんですよね。
アイデンティティとなるものがぶっ壊れてしまって、コンプレックスの塊になってしまった時、こんな感じに人は異常者となり果てるのでしょう。
リアリティという側面だと、地元の人たちの田舎っぽい訛りも実に魅力的です。
訛りがきつくて、ルビの補助なしではわからないのがまた、都会と隔絶されている感じが強く出ていて実に良いです。
散々迷惑だ害悪だの言われて世間から邪険にされている「撮り鉄」、その末路を見て、あなたは同情するでしょうか。
それとも、ざまあ見やがれと冷笑するでしょうか。
是非ご一読を。