命の理(ことわり)に呑み込まれる世界の物語

世界観の完成度が非常に高く、この世界には確かな理(ことわり)がある、と感じさせられる作品でした。

生命の循環や国の在り方、役割分担が丁寧に設計されており、説明的になりすぎず、自然に世界へ入り込めるのが印象的です。

その一方で、重厚な設定の中に、露零・伽耶・心紬・シエナといったキャラクター同士の軽やかな掛け合いがあり、物語全体に心地よい呼吸を与えていると感じました。

生まれたばかりのはずの露零が抱く既視感、そして伽耶との間に横たわる「覚えていない」という断絶。
この記憶の抜け落ちが、世界の仕組みとどう結びつき、どのように回収されていくのかがとても気になります。

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