第13話 追求の果てに

カフェ「星のカフェ」の薄暗い灯りの下、香織とルナは村田徹と対峙していた。村田は一度観念したかのように口を開いたが、その目にはまだ何かを隠そうとする影が見えていた。


「全てを話すと言ったが、君たちにとっては受け入れ難い真実かもしれない。」


村田は冷たい視線を香織に向けたが、彼女は一歩も引かず、その視線を受け止めた。


村田は最初、事件について表面的な事実だけを語り始めた。


「山本さんの娘は、組織の秘密を知りすぎたために消された。彼女は証拠を持ち出そうとしたが、それを阻止するために組織は彼女を追い詰めたんだ。」


香織は村田の言葉を注意深く聞いていたが、その言葉には矛盾が感じられた。


「村田さん、それだけが真実ですか?あなたが本当に知っていることを話しているとは思えません。」


村田は香織の追及に少し苛立ちを見せたが、まだ全てを明かそうとはしなかった。


「それ以上のことは話せない。君たちには関係ないことだ。」


香織は村田の態度から、彼がまだ何かを隠していることを感じ取った。彼女は冷静に、しかし確信を持って追及を続けた。


「村田さん、あなたは真実を隠している。私たちがここまで来たのは、涼介の遺志を継ぎ、真実を明らかにするためです。あなたが全てを話さないなら、私たちは決して諦めません。」


村田は一瞬躊躇したが、香織の強い意志に圧倒されるように、ついに本当のことを話し始めた。


「分かった…。全てを話そう。」


村田は深いため息をつき、事件の真実を語り始めた。


「山本さんの娘は、組織の違法取引の証拠を見つけ、私たちに脅迫していた。彼女はその証拠を公開しようとしたが、それが組織にとって致命的な打撃になることは明白だった。」


香織は村田の言葉に耳を傾けながら、さらに詳しい情報を求めた。


「あなたたちは彼女をどうしたのですか?」


村田の目が暗く沈み、彼は続けた。


「我々は彼女を誘拐し、秘密の場所に監禁した。彼女が証拠を渡すように強要したが、彼女は決して屈しなかった。最終的に、彼女を殺すしかなかったんだ。」


香織は村田の冷酷な告白に胸を痛めながらも、真実を知るためにさらに追及を続けた。


「彼女をどうやって殺したのですか?そして、遺体はどこに?」


村田は一瞬目を閉じ、その後静かに話し始めた。


「彼女を毒殺した。組織の一員が毒を手に入れ、それを彼女に飲ませた。彼女の死は即死ではなかったが、苦しむことはなかった。」


香織の表情が険しくなった。


「そして、遺体はどうしたのですか?」


村田は深いため息をつき、重い口を開いた。


「彼女の遺体は港町の古い倉庫の地下に埋めた。誰も見つけられないように、厳重に隠したんだ。」


香織とルナはその言葉を聞き、深い悲しみと怒りを感じながらも、真実に近づいたことに確信を持った。


「ありがとうございます、村田さん。これで事件の真相が明らかになりました。」


香織とルナは、村田の告白を元に、山本さんの娘の遺体を見つけるための調査を開始した。彼女たちは港町の古い倉庫へ向かい、地下を徹底的に調査した。


「ここに彼女が眠っているはず…。」


ルナは涙を浮かべながら、香織と共に地下を掘り進めた。やがて、彼女たちは遺体の一部を発見し、真実が明らかになった。


「涼介、あなたが追い求めた真実を、私たちはついに見つけたわ。」


香織は静かにそう呟き、未来への一歩を踏み出す決意を新たにした。彼女の心には、涼介の教えと共に、新たな希望が灯っていた。


事件が解決し、山本さんの娘の遺体が発見されたことで、真実が明らかになった。香織とルナは、涼介の遺志を継ぎ、新たな一歩を踏み出す決意を新たにした。


「涼介、あなたの遺志を受け継ぎ、私たちはこの町の平和を守り続けるわ。」


香織は静かにそう呟き、未来への希望を胸に、新たな依頼に挑む決意を新たにした。

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【完結】時の流れに咲く桜 湊 マチ @minatomachi

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